ブックワームのひとりごと

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ひょんなことから不良少年がお嬢様の執事に―蝉川タカマル『不良少年と彼女の関係』

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不良少年と彼女の関係 (メディアワークス文庫)

 

あらすじ・概要

有名チームのヘッドを引退し、旅に出ようとしていた拳児は、お金がなかったのでまだ実家にいた。そんな折、ひょんなことから地元のお金持ちのお嬢様の執事になることになる。しかしガサツでデリカシーのない拳児と、人見知りで内弁慶なお嬢様、朱乃はけんかするばかりで……。

 

劇的な展開をするわけではないけど安心して読める

特に劇的な展開をする話ではないんですが、テンポのいい会話劇や、執事とお嬢様ふたりがけんかをしながら少しずつ歩み寄っていく過程が面白かったです。

けんかをするふたりの独特の言い回しが楽しい。

 

お嬢様、朱乃も不良少年なのに執事になるはめになった拳児も、根は優しくお人好しなことがわかるので、けんかをしていてもあまりいらいらしません。

人見知りなところのある朱乃が、ダンスパーティーをきっかけに自分を素直に出せるようになり、終盤で一歩踏み出せるようになったのは、素直にいい話だなと思いました。

 

ラストも予想どうりといえば予想通りだけれど、こういう風に安心して「いい話」に身を預けられる話も悪くないと思います。

ふたりがハッピーに暮らしてくれたら嬉しいです。