ブックワームのひとりごと

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犯罪組織に引き取られた少女は取引を覚える―喜多みどり『デ・コスタ家の優雅な獣』

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デ・コスタ家の優雅な獣 (角川ビーンズ文庫)

 

あらすじ・概要

身寄りがなく内気な少女ロザベラは、名家デ・コスタ家に引き取られる。しかしそこは異能を持つ一族だった。ロザベラは一族の血を繋ぐために従兄弟と結婚して子を残すことを要求される。このままだと幽閉されてしまうと恐れたロザベラは、「一族の一員」として認められるため裏切り者を探し出すことになる。

 

ガチの犯罪小説だし息をつかせぬ展開

ヤクザ要素をふわっと振りかけたハーレム物の作品かと思っていたのですが、ふたを開けてみるとガチの犯罪組織小説であり、殺人・暴力・薬物がどんどん出てきました。いい意味でびっくりしました。

もちろんエンタメとして楽しめる範囲で収めてあるので大丈夫です。

 

ひ弱でかわいい女の子ロージーががどんどんひどい目に遭うのでちょっとサディスティックな快感がありますし、最終的にロージーがたくましくなっていくので読者としてあまり罪悪感を覚えずに済みます。

女の子がイケメンに人生めちゃくちゃにされる話大好きなんですよ……!

ストーリーも面白くて、息をつかせぬ展開に、どんどんページをめくりたくなってしまいます。ここからどうなるの? の連続です。

 

この巻のメインヒーロー(的な存在)であるノアがクーデレなのもよかったです。男クーデレ、好きなんだけどあまりメインに持ってこられることがないんですよね。ぶっきらぼうで不器用だけれど優しい男はかわいい。

しかしラストであの展開をするところはすごいですね……。

 

一巻としては一応完結していますがどのキャラにも裏がありそうですし、それぞれの野望がどう交差していくのか気になります。続きも楽しみです。