あらすじ・概要
日本人男性とカメルーン人女性が結婚し、母親の連れ子として日本にやってきた星野ルネ。幼い頃から日本で暮らしているため、母国語は日本語。周囲の日本人とは全く違う外見のため、何かと誤解を受けることが多く……。世の中の先入観や文化の違いを描いたコミックエッセイ。
違いを面白がり笑い飛ばすコミックエッセイ
基本的に明るい内容で、自分と周囲の違いを笑い飛ばしていく作風です。
著者自身が家族や友人に恵まれたのもあり、すべての民族的マイノリティがこういう風に生きられるわけではないと思います。しかし違いを面白がり、笑い飛ばす姿勢には救われるものがあります。
「私たちは分かり合えない、でもそれって面白いよね」と表現できるタフさ、精神的余裕はすごいです。
こういう前向きでタフな人の方が多様性社会では生きやすいでしょうね。
著者が語るカメルーンと日本の違いにも考えさせられるものがありました。
日本の方が豊かで先進的だと思いがちですが、でも場合によってはカメルーンのほうが寛容な部分もあります。
よその文化から来た人の話を聞くと、自分の文化が絶対ではないと突き付けられてしまいます。それはちょっとつらいこともありますが、多様性について考えるためには必要な痛みなのだと思います。
