あらすじ・概要
家事が好きで家政婦の仕事をしていた鈴佳は、ユーリという男性にメイドとしてスカウトされる。その仕事はヴィクトリア時代の生活にあこがれる老婦人に当時のようなメイドとして仕えることだった。不便を感じつつ、アイリーンという名を得た鈴佳は屋敷の生活や主人に惹かれていくのだが……。
ちゃんと編集者も「主人公がおかしいですよ」って言うべきだと思う
※この感想には大きなネタバレが含まれています。
アイリーンこと鈴佳は、屋敷の女主人楢橋タエの過去の思い人を知り、彼女のために何かをしてあげようと思います。ここまでは普通に面白かったし、次どうなるんだろうと思いました。
しかし何かをしてあげようと思った結果「タエの写真とその過去の思い人の写真を合成する」というアイリーンのとち狂った行動が本当にホラーでした。
それで「その思い人を旦那様として扱いましょう」って言うんですよ。怖すぎないですか!?
私が楢橋タエの立場だったとして、使用人に過去の思い人と自分の写真を合成されるなんて失礼通り越して怖すぎるし、アイリーンと二度と関わらないと思います。実際激怒しています。
でも最終的にアイリーンの行動も主人を思った結果なんだ! その思い人を旦那様として扱うのが正解なんだ! というオチがついて本当に怖かったです。
なんちゃってヴィクトリア時代の描写や、ヴィクトリア時代の生活を現代に再現するというアイデアが面白かっただけに、主人公がとち狂った行動をし始めたのが本当に怖かったです。編集者も「主人公がおかしいですよ」ってちゃんと注意しろよ! と思いました。