ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

3つの宗教が混じり合う聖地へ―りえぞう『イスラエルに行ってみた 旅行記コミックエッセイ』

このブログには広告・アフィリエイトのリンクが含まれます。

イスラエルに行ってみた 旅行記コミックエッセイ

 

あらすじ・概要

バックパッカーとしてイスラエルに行ってみたいと思っていた著者。しかしイスラエルに入国後、敵対する国に行けなくなる場合がある。アラブの他の地域を巡ったあと、ようやくたどり着いたイスラエルは、3つの宗教の対立を象徴するような場所だった。

 

美しいと同時にひりつくような宗教対立のある町

この作品自体にはそれほど政治性はなく、著者の感想が綴られているだけですが、それでもイスラエルにおける宗教対立についていろいろ考えてしまう本でした。

 

イスラエル自体はユダヤ人の国ですが、実際のところキリスト教徒やイスラム教徒多く住んでおり、その上多数の宗派に別れています。そんな他宗教の町で、ひりつくような勢力争いをしながらエルサレムはここまでやってきたんだなあと思うと悲しいような感慨深いような複雑な気持ちになりました。

 

そういう悲しさとは別に面白いエピソードもあります。

複数の宗派が共同管理しているため、勝手に動かせず、数百年前のはしごが残っているエピソードにはちょっと笑ってしまいました。不謹慎かもしれませんが。

イエスが十字架を背負って歩いた道にまつわるあれこれは「それ絶対後世の人が後づけで言い出しただろ……」と思ってしまう言い伝えも多くて、ある種の俗っぽさも感じました。まあ宗教ってそういうもんだよね!

 

著者はパレスチナ自治区に行った話も描くつもりみたいなので、それも楽しみです。