ブックワームのひとりごと

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小学校の非常勤教師が赴任した学校では必ず事件が起こる―東野圭吾『おれは非情勤』

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おれは非情勤 (集英社文庫)

 

あらすじ・概要

「おれ」は小学校の非常勤講師。赴任した小学校では、いつも何か事件が起こる。ダイイングメッセージを残して死んだ教師、謎の言葉のメモ、ヒ素の入った水を飲んでしまった生徒。「おれ」はその事件を解決する。

 

ビジネスライクだが教師としてはまともなのがいい

小学校とその教師がテーマなのに、出てくる事件はかなり物騒で、新鮮味がありました。小学生にこんなことさせる!? という内容が多いです。

しかしこれはフィクションですから、現実ではない話としてはすごく面白かったです。「子どもがこんなことを?」という意外性もいいし、子どもだからといって純真な悪意のない存在に描かないのもいいです。

自分の小学校時代を思えば、この小説みたいに事件は起こらないものの、悪ガキや性格の悪いクラスメイトは普通にいました。だからこれはこれでリアルな描写なのかもしれません。

 

主人公である「おれ」はクールで淡々としていますが、実際のところ小学校教師の仕事はきちんとやっています。生徒が倒れたら迅速に動くし、事件を起こした生徒がいればちゃんと注意します。

ビジネスライクな性格も本当で、ツンデレというわけではないでしょうが、与えられた仕事はきちんとこなす主人公に、好感を覚えました。

そういう主人公だからどんな事件が起ころうがエンタメとして楽しめます。