ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

ミステリ

自殺志望の子どもたちが13人目の死体の謎を解く―『十二人の死にたい子どもたち』(実写映画版)

今日の感想は、『十二人の死にたい子どもたち』(実写映画版)です。 あらすじ・概要 集団自殺を行おうと廃病院に集まった12人の子どもたち。しかしそこには、13人目の死体が横たわっていた。全員が賛成しないと集団自殺は決行できない。12人の子ども…

現代舞台の作品なのにあふれる昭和っぽさ―有栖川有栖『濱地健三郎の霊なる事件簿』

今日の更新は、有栖川有栖『濱地健三郎の霊なる事件簿』です。 あらすじ・概要 超常的な事件を扱う霊能探偵・濱地健三郎。彼は助手のユリエとともに、奇妙な事件の依頼を受ける。自らの持つ霊感を使い、この世ならざるものが起こす事件を解決していくが……。

「イラっと来る」をうまくコントロールしたお仕事小説―青木祐子『これは経費で落ちません! 経理部の森若さん』

今日の更新は、青木祐子『これは経費で落ちません! 経理部の森若さん』です。 あらすじ・概要 天天コーポレーション経理部に所属する27歳のOL、森若沙名子。会社の簿記やお金の管理をして働く毎日だ。その経理部に、従業員たちはやっかいごとを持ち込んでく…

小市民の枠をはみ出しつつあるふたり―米澤穂信『巴里マカロンの謎』

今日の更新は米澤穂信『巴里マカロンの謎』です。 あらすじ・概要 恋愛関係でも友情関係でもなく、互恵関係で交流している小佐内さんと「ぼく」こと小鳩くん。ふたりで限定のマカロンを食べに行くと、三つのはずのマカロンが四つになっていた。表題作「巴里…

垣間見えた古典部メンバーの未来―米澤穂信『いまさら翼といわれても』

今日の更新は、米澤穂信『いまさら翼といわれても』です。 あらすじ・概要 合唱祭に出る千反田えるがいなくなった。しかも、彼女はソロパートを歌うという。伊原摩耶花からかかってきた電話によって、折木奉太郎はえるの行方を探す推理を始める。奉太郎がた…

これは謎解きじゃなくて知識チートだよ!―日向夏『薬屋のひとりごと』

今日の更新は、日向夏『薬屋のひとりごと』です。 あらすじ・概要 人買いにさらわれ、後宮で働かされている猫猫(マオマオ)。圧倒的な薬の知識を持つ彼女は、後宮の事件を次々と解決する。しかし猫猫自身は、ひっそり暮らしたいと思っているようで……。

ヤバい女に翻弄されつつも翻弄する―間宮夏生『月光』

今日の更新は、間宮夏生『月光』です。 あらすじ・書籍概要 男子高校生、野々村は、クラスのアイドル月森葉子が落とした「殺しのレシピ」を拾う。それは、完全犯罪を目指した計画が書かれているメモだった。しばらくして、月森の父親が事故死する……。

校長先生の朝礼みたいな言い回しはやめてくれ―山本巧次『阪堺電車177号の追憶』

今日の更新は、山本巧次『阪堺電車177号の追憶』です。 確か去年のハヤカワ電子書籍セールで買ったもの。 あらすじ・書籍概要 天王寺から大阪南部を走る阪堺電車177号。彼は電車に乗った人々がかかわった事件を回想する。戦時下、バブル、平成と、町が移り変…

ミステリと称して妄言を聞かされる身にもなってくれ―斜線堂有紀『死体埋め部の悔恨と青春』

今日の更新は、斜線堂有紀『死体埋め部の悔恨と青春』です。 あらすじ・書籍概要 うっかり人を殺してしまった大学の新入生、祝部(はふりべ)は、そこに通りがかった「死体埋め部」の織賀(おりが)に死体を埋めてもらうことになる。脅されて「死体埋め部」…

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』感想記事のまとめと総評

今日の更新は、『ビブリア古書堂の事件手帖』感想まとめ記事です。 といっても3巻以前はブログを作る以前に読んだので、4巻からです。 あらすじ 本が読めない体質の五浦は、栞子の経営する古書店ビブリア古書堂で働くようになる。本の知識にあふれ、推理力…

忠誠をささげた道化の知恵比べ―三上延『ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~』

今日の更新は、三上延『ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~』です。 あらすじ 『晩年』をめぐり取引に現れた吉原という男。彼は八百万というふっかけた値段で本を売ろうとする。栞子の妹、文香の受験も重なり、ビブリア古書堂はお金に悩…

好きになれない主人公のハーレム展開ほどつらいものはない―森晶麿『僕が恋したカフカな彼女』

今日の更新は、森晶麿『僕が恋したカフカな彼女』です。 すみません、最初に言っときますけど酷評です! あらすじ 深海楓は不可能趣味にそそられて架能風香に恋文を渡すが、あっけなくふられてしまう。楓は彼女に食い下がるために、カフカを手本に小説を書き…

「詩人」であることがスティグマとして扱われるのが辛すぎ―紅玉いづき『現代詩人探偵』感想

今日の更新は、紅玉いづき『現代詩人探偵』です。 あらすじ オフ会で「10年後に会おう」と言って別れた詩人たち。10年後、彼らが集まってみると、四人もの詩人が亡くなっていた。その詩から「探偵くん」とあだ名される主人公は、彼らの死の理由を探り始…

いつもの古書堂だけどちょっとオチが不満―三上延『ビブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ』感想

今日の更新は、『ビブリア古書堂の事件手帖6』です。 表紙はダークな栞子さん。 あらすじ 『晩年』の古書ほしさに栞子を突き落とした男、田中から「別の『晩年』を探してほしい」という依頼が来る。ビブリア堂はそれがどこにあるのか調べ、危険な男が狙って…

これをミステリと呼ぶには無理があるだろ―野崎まど『パーフェクトフレンド』感想

今日の更新は、野崎まど『パーフェクトフレンド』です。 あらすじ 不登校の少女をたずねていった小学生理桜(りざくら)は、数学家の天才少女さなかと出会う。理桜が友達の重要性を説いたことをきっかけに、さなかは学校に通い始め、友達というものを知ろう…

本からわかる人間の多面性―三上延『ビブリア古書堂の事件手帖5 栞子さんと繋がりの時』感想

今日の更新は、三上延『ビブリア古書堂の事件手帖5』です。 あらすじ 栞子に告白した五浦。しかし、彼女には「返事は待ってほしい」と言われる。律義に待つ五浦だが、その間にも、ビブリア古書堂にはさまざまな事件が持ち込まれる。五浦は栞子の言動を測り…

乱歩をリスペクトした現代ミステリが楽しい―三上延『ビブリア古書堂の事件手帖4 栞子さんと二つの顔』感想

今日の更新は、三上延『ビブリア古書堂の事件手帖4』です。 久しぶりに読んだけれど、だいたい話を理解できたのでよかった。 あらすじ とある女性から、江戸川乱歩の蔵書を売ることを引き換えに「鍵のかかった金庫を開けてほしい」と依頼された栞子。「俺」…

かるたの世界で起こる殺人事件の謎を解け 『劇場版名探偵コナン から紅の恋歌』感想

金曜ロードショーで見てました。 あらすじ 大阪の日売テレビで爆破事件が勃発。和葉は、そこでけがをしたかるた部部長の代わりにかるたの大会に出ることになる。同時にそのかるたの大会である皐月杯の優勝者が殺害され、コナンと平次は事件解決に向けて調査…

シリーズ化によって作品の穴が見えてきてしまった 柳広司『パラダイス・ロスト』感想

カドカワのセールで買った作品はこれで最後です。 あらすじ 第二次世界大戦中、スパイ組織として活躍していた「D機関」。そこに所属するスパイたちは、各国に潜入し、さまざまな情報を集めていた。「諜報」を描いた連作短編スパイサスペンス。

変人に描かれているシャーロックはやっぱり変人 アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ全集1 緋色の習作』感想

あらすじ 見知らぬ男とルームシェアをすることになった、元軍医のワトソン。同居人シャーロックは、警察の捜査に協力する諮問探偵だった。やがて毒殺事件が起こり、シャーロックはその解決に乗り出す。

怖くて論理的なホラーミステリ 小野不由美『ゴーストハント』感想記事まとめ

あらすじ 旧校舎で起こった心霊事件を解決しにやってきた渋谷一也、通称ナル。彼の事務所でバイトすることになった麻衣は、彼と個性豊かな霊能力者たちと心霊事件に挑む。たびたび夢に出てくるナルに、麻衣は淡い恋心を抱くのだが……。

恋の終わりと少女の成長で締めくくる 小野不由美『ゴーストハント7 扉を開けて』感想

ついに最終巻。感慨深いですね。 あらすじ 前巻の事件の帰り道、山奥に迷い込んだSPRのメンバー。ナルはそこで突如「SPRを解散する」と宣言した。納得がいかないSPRのメンバーたちはコテージを借りてその場に残る。そんな中、地元の人たちに幽霊の出る校舎に…

だめだった巫女さんがいいところ見せる回 小野不由美『ゴーストハント6 海からくるもの』感想

今回の表紙はニス塗りかな?それとも他の効果? あらすじ 依頼を受けてある家にやってきたSPRのメンバー。そこは代替わりするたびに人が死ぬ家だった。ナルが霊の攻撃を受けて憑依されてしまい、SPRのメンバーはナル抜きで調査を行うことに。はたして「呪い…

森の奥の洋館で人が消え続ける 小野不由美『ゴーストハント5 鮮血の迷宮』感想

メタル系の紙に印刷されていてめっちゃギラギラした本です。 あらすじ 日本国の元首相から依頼を受け、森の奥の洋館にやってきたナルたち。そこは人が消える館だった。集められた他の霊能力たちと一緒に捜査を開始するが、人々が次々に消えていく。果たして…

失われた記憶の真実を知るとき、償いは始まる 『アリスの精神裁判』感想

『アリスの精神裁判』をクリアしました。 play.google.com アリスの精神裁判 SEEC Inc. ゲーム 無料 あらすじ 「視聴覚室で白ウサギが殺された」主人公、神崎ありすの学校にニュースが駆け巡る。精神裁判という奇妙な裁判にかけられたハートの女王。その理不…

怪異が移動する学校で行われたあることとは 小野不由美『ゴーストハント4 死霊遊戯』感想

表紙がネタバレになっています。読み終わって初めて気づくレベルのネタバレなんですが。黒い部分は印刷がちょっと盛り上がってます。 あらすじ 心霊現象が多発する高校の調査に来たSPRのメンバー。生徒たちは学校の無意味な締め付けに不満を持っていた。除霊…

心霊事件の黒幕にひえっとなる 『ゴーストハント3 乙女ノ祈リ』感想

あらすじ SPRに持ち込まれる心霊相談。それはすべて同じ高校から持ち込まれたものだった。増え続ける怪談に頭を悩ませるSPRの面々。その解決には、麻衣の秘められた力がヒントになっていく。

人がえげつない理由で死んでいくのに下世話な興味を持つ 京極夏彦『姑獲鳥の夏 下』感想

ちょっと時間が開いてしまったけど下巻を読んでいました。前巻の感想はこちら。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ 20か月以上孕んでいる女性、消えた赤ん坊、失踪した男……。謎が謎が呼ぶ館で、京極堂は謎解きをする。あらゆる因縁が明かされ、衝撃の事…

お姉さん巫女綾子がポンコツかわいい 小野不由美『ゴーストハント2 人形の檻』感想

今回の表紙箔押しですね。変わった箔の押し方です。 あらすじ SPR(渋谷サイキックリサーチ)の渋谷一也(ナル)と麻衣は、依頼を受けて怪現象の起こる洋館へ向かう。そこで別のルートで依頼されていた綾子と法生と出会い、協力して調査を進めていく。

おどろおどろしい話は面白いけれどとにかく長い 京極夏彦『姑獲鳥の夏 上』感想

Twitterでフォロワーさんのおすすめ小説として挙がっていたので読んでみました。 ときどき作風が似ていると言われるのだけど、私自身はあまり自覚がないです。 あらすじ 古本屋で拝み屋の京極堂と「私」は、20か月の間妊娠し続けている女性を調査すること…