あらすじ・概要
仕事でアメリカに渡り、日系アメリカ人と結婚した著者。ふたりの息子にも恵まれた。著者は息子たちにバイリンガルになってほしいと日本語を教え続けるが、うまくいかないことも多く……。バイリンガル育児や、アメリカでの子育てを描いたコミックエッセイ。
日本とは違うアメリカの学校事情
日系アメリカ人と日本人との結婚、ルーツは同じだが育ちは全く違うふたりが夫婦になり子育てをするというのが面白かったです。
著者は、子どもをバイリンガルに育てようとするもうまくいかず、口げんかでは母語が英語である夫に負け、悔しさを感じながら英語を学びます。
ユーモラスな語り口でありながら、異文化が共存する家族で起こりうる問題を描いているのが興味深かったです。
アメリカの小学校事情についても描かれていて面白かったです。アメリカの小学校は財政難で、常にお金が足りないため多種多様な方法で寄付を募っています。オリジナルグッズを作ったり、チャリティーオークションをやったり……。
本当は税金ですべて賄うのが理想ではあると思いますが、助け合いの精神そのものは美しく感じます。
あと親たちのボランティアで学校が支えられているらしく、PTAのない国でも親が楽できるわけではないんだな……と自由の国アメリカの現実を感じました。
しかし、 男児の行動が親の主観では「バカ」だったとしても、タイトルにそれを入れるのはちょっとかわいそうな気がしてしまいます。今はよくても、思春期あたりになると嫌がられるんじゃないかと余計な心配をしてしまいますね。