ブックワームのひとりごと

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「多いのに法整備や交通網が遅れている」日本の自転車事情―馬場直子『自転車に冷たい国、ニッポン――安心して走れる街へ』

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自転車に冷たい国、ニッポン――安心して走れる街へ (岩波ブックレット)

 

あらすじ・概要

自転車大国である日本だが、実は自転車にまつわる法整備や、自転車が走りやすい交通設備の点では遅れている。自転車事故を減らすためにはどうすればいいのか。海外の事例や、日本での成功例を挙げつつ、日本の自転車のこれからを考える。

 

ヘルメット努力義務以外にやらなければならないことはいろいろある

ヘルメットの努力義務化など、自転車に対する政策の変化を感じたので手にとってみたのですが、まだまだ行政としてはやることがあると感じました。

自転車は交通網の中では比較的弱者ですが、それでも自転車同士、あるいは自転車と歩行者で事故を起こしてしまうことは多いです。著者は道路のつくりというインフラの面から、事故を起こりにくくする重要性を説きます。自転車レーンの創設と、自転車を左側一方通行にすることが大事だと。

うちの地元にも自転車レーンが作られたのですが、日常的に自転車レーンに自動車が駐車してあるのでろくに使えません。違法駐車する方も悪いのですが、そもそも違法駐車できないような作りにしてくれないですかね。

 

最後の方に自転車の事故減少に取り組み、それに成功した自治体の話が出てきます。やはり自転車レーンを整備するというハード面での取り組みと、市民の意識を変えることが重要なのだと思えてきます。自転車のヘルメット努力義務化だけではまだ足りない、さまざまなアプローチからの施策が必要だと思いました。