あらすじ・概要
著者の父はある日視力を失い、母はその視力を失った父を支えていた。しかし介護する・支えられるという関係のストレスからか、ふたりに認知症の傾向が現れる。著者は姉と協力して、思うようにいかない親夫婦を通いで介護するようになる。介護の日々の苦しみとおかしさとは……。
今まで好きだった親が衰えていく姿
ブログの書籍化。
描写はコミカルですが、つらいシーンも多かったです。今まで好きだった親が、認知症によってできないことが増えていくつらさ。そして親夫婦を支える大変さが描かれていました。
認知症になったのにプライドが高く、福祉サービスを受け入れられない母に、著者とその姉は手を焼きます。
ヘルパーを呼んでも「自分でできる」と家事の手助けを拒否しようとしたり、デイサービスに行くのを嫌がったり。
しかしそのプライドの高さは、「他人に迷惑をかけたくない」という思いでもあり、一概に否定できるものではありません。
著者の父は母よりは素直に福祉サービスを受け入れてくれますが、おしゃべりが止まらなくなったり幻覚を見たりして、こちらはこちらで相手をするのに苦労します。
思うようにいかない介護に怒り狂う日もあれば、認知症になった母にかつての面影を見てしんみりする日もあります。著者と姉は、愚痴を言ったり怒りを共有しながらも介護を続けます。
著者と姉の仲が悪くなかったから運がよかったですが、きょうだいと仲良くない人は大変でしょうね。私もきょうだいとはあまり仲がいいとは言えないから不安です。
将来のことを考えると不安になりますが、乗り越えていく人の話を読むと少し安心します。