ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

介護

『半ダース介護』井上きみどり 集英社 感想

あらすじ・概要 主婦として生活している女性は、夫側の家庭の複雑さゆえに、一気に6人もの老人の介護を一気にすることになる。自由奔放な彼らに振り回されながらも、必死に日々の世話を続ける。しかし、徐々に体の限界を感じるようになる。 早く福祉に頼って…

『私だけ年を取っているみたいだ ヤングケアラーの再生日記』水谷緑 文芸春秋

[ あらすじ・概要 統合失調症の母親を持つ少女は、家の家事や、病気の母のケアを引き受けている。非協力的な父親や、病気を理解しない母親に悩まされながら学校生活を送っていた。大人になり、家から出た彼女は、社会と自分とのギャップに驚く 親を憎み切れ…

【気性の荒かった父親が老いて大人しくなった】竹之内淳子『父ちゃんの認知症パラダイス』感想

あらすじ・概要 偏屈でわがままだった父は、認知症になってからおとなしくなった。食べ物を上手く食べられなかったり、目的地にたどり着けなかったり、トイレに失敗したり。できないことが増えていく父との生活を、ユーモラスに描くコミックエッセイ。 のん…

【ヤングケアラーとなった少年の苦しみと後悔】美齊津康弘・吉田美紀子『48歳で認知症になった母』感想

あらすじ・概要 ある日から、母親の様子がおかしくなった。徘徊したり、一日中ひとりごとを言ったり。アルツハイマー型認知症と診断された母は、有効な治療法もなく、どんどん悪くなる一方だった。著者は徘徊する母を連れ戻したり、排泄の片づけをするうちに…

【実家に顔を出して認知症の父親を介護】あさとひわ『ねぼけノート』感想

あらすじ・概要 ある日、父親が「ぼけてしまいました」と言い出した。イラストレーターの著者は、実家に通って父親の様子を見に行くようになる。とぼけているようでどこかプライドが高くわがままな父と、その父に文句を言いながら自発的に動くのが苦手な母。…

【精神の病の診断を受けて迷走するが仕事に救われる】渡辺河童『うつでも介護士:崖っぷち人生、どん底からやり直してます。』

あらすじ・概要 自営業として働いていた著者は、ある日うつ病になる。何度か自殺未遂を繰り返したものの、訪問看護やヘルパーの人々に助けられる。自分も資格を取ってみようと、学校に通い始めるのだが……。 コミュニケーションを取ることによって自分を知る …

【親を世話する苦しみとおかしさをブログにつづる】カータン『健康以下、介護未満 親のトリセツ』

あらすじ・概要 著者の父はある日視力を失い、母はその視力を失った父を支えていた。しかし介護する・支えられるという関係のストレスからか、ふたりに認知症の傾向が現れる。著者は姉と協力して、思うようにいかない親夫婦を通いで介護するようになる。介護…

介護殺人の恐ろしさと、防ぐために世の中は何ができるか―毎日新聞大阪社会部取材班『介護殺人 追い詰められた家族の告白』 

あらすじ・概要 社会問題になっている介護のこと、そして思いつめた結果介護していた相手を殺害してしまう人がいる。毎日新聞大阪社会部取材班は、介護殺人をしてしまった人々に取材を申し込んだ。重たい口を開いた彼らが語るのは、壮絶な介護の実態だった。…

子どもになった親のために施設探し―細川貂々『親が子どもになるころに――てんてん、介護問題に直面す。』

あらすじ・概要 漫画家の著者にはひとり暮らしの父がいた。仕事を続けまめに掃除をし、生活を続けていた。しかしあるときから認知症の兆候が見え始め、施設に入れることを考え始める。施設探しの日々、ままならない父親の行動を描きながら、子どもが老いた親…

介護職はなぜ不足しているのかと、日本の介護のこれから―結城康博『介護職がいなくなる ケアの現場で何が起きているのか』

あらすじ・概要 少子高齢化によって、介護需要は高まる一方なのに、介護の仕事をする若者は増えない。労働条件の悪さや、介護施設内での暴力、介護施設でのパワハラ・セクハラ、外国人介護職への支援の乏しさなど、現状の問題を語る。介護から見えてくる、高…

人間には、絶望の中にもささやかな救いを見出すことができる強さがある―野田敦子『夫が倒れた! 献身プレイが始まった』

あらすじ・概要 コピーライターの著者の夫が倒れ、意識を取り戻す見込みがほとんどない植物状態になってしまった。悲しみに暮れる暇もなく、著者の生活はめまぐるしい勢いで変わっていく。介護をどこまでするかという問題、夫の家族や友人との付き合い、自分…

介護、老人ホーム、家を建てる。認知症の家族と暮らすコミックエッセイおすすめ5選

介護の話題は結構興味があって、見かけると読んでしまいます。 今日はコミックエッセイの中から認知症の家族と暮らす生活を描いた作品をピックアップしました。 認知症の祖母のために被災地に家を建てる『ナガサレール・イエタテール』 東日本大震災の津波に…

認知症の祖母のために東日本大震災で流された家を再建―ニコ・ニコルソン『ナガサレール イエタテール』

あらすじ・概要 東日本大震災の津波により、家が流されてしまった著者の実家。認知症が進み、故郷を恋しがる祖母のために、母は家の建て直しを決意。しかしそんな折、母ががんに侵されてしまう。著者は認知症の祖母と病気の母に代わって、実家を建てる音頭を…

認知症の母は過去の思い出をさまよい死んだ父と出会う―岡野雄一『ペコロスの母に会いに行く』

あらすじ・概要 父の死後、認知症になってしまった母。その母を介護し、施設に入れて面会に通った日々を、四コマ漫画で語る。認知症の症状で過去の思い出をさまよう母は、酒乱だった夫の幻を見るようになる。幻の中の夫は優しく、穏やかに、母に会いに来てく…

芸大生、介護の仕事をする―大塚紗瑛『老人ホームに恋してる 介護職1年生のめくるめく日常』

あらすじ・概要 芸術大学の学生だった著者は、芸大から介護の仕事をしている人の話を聞いたことから介護職を志す。新卒で飛び込んだ老人ホームで、個性豊かな高齢者たちと出会った。介護という過酷な仕事の中で、お年寄りと触れ合い、話すことで著者は働き甲…

軽い気持ちで認知症の祖父母と同居したら大変なことになりました―青山ゆずこ『ばーちゃんがゴリラになっちゃった。 祖父母そろって認知症』

あらすじ・概要 著者の母方の祖父母は、夫婦そろって認知症になってしまった。軽い気持ちから祖父母の家に住むことを家族に申し入れた著者だったが、それが過酷な介護の始まりだった。暴力・暴言が激しく介護サービスを拒む祖母と、他の人間に興味を示さない…

ヘルパーになった漫画家のお仕事コミックエッセイ―吉田美紀子『40代女性マンガ家が訪問介護ヘルパーになったら』

あらすじ・概要 若いころは何本もの連載を持っていたが、年を取るにつれて仕事がなくなってきた漫画家の著者。バイトをしてみようとしたがうまく行かず、ひとりでできる仕事として選んだのは、訪問介護ヘルパーだった。ヘルパーとしての苦労やお年寄りとの交…

人脈があっても介護は難しい―かぶらぎみなこ『親が倒れた日から、いつかくる…その日まで~かぶらぎさん家のケース』

あらすじ・概要 イラストレーターで勤め人の著者。その父親が、脳こうそくで倒れた。そこから、家族の介護の日々が始まった。入院生活から自宅介護、デイサービスの利用、そして、おそらく二度と家に戻れない療養型医療施設へ。親の老いを文字エッセイとイラ…

老後はお金があればいいわけではなかった―堀田あきお&かよ『親の介護、10年め日記。』

今日の更新は、堀田あきお&かよ『親の介護、10年め日記。』です。 あらすじ・概要 夫婦漫画家の著者ふたりは、歩けなくなった妻の母親の介護を帰省して行いながら東京で仕事をしていた。そんな中、父親が腎不全で入院。いよいよ母の世話ができなくなったこ…