あらすじ・概要
妊娠・出産することになったはるな檸檬。子どもを持つことを望んでいたが、予想以上の苦労に翻弄される。つわりの苦しみ、妊婦としての日常から、出産の大変さ、生まれたばかりの子どもとの生活まで、母親になることへのごたごたと葛藤をコミックエッセイで描く。
子どもとの生活は幸せだが勧められるものではない
子育てエッセイというよりも、妊娠、出産に伴う戸惑いを主とした作品です。
著者は子どもの頃から母親になることに憧れていました。しかし子どもを授かってからのことは未体験のことばかりで戸惑います。つわり、糖質の取りすぎを注意される、大きいおなかに振り回されるなど。
実際のところ、子どもを授かってよかったという気持ちより、生活の変化を受け入れられない気持ちの方が、強く出ていたように思います。
逆子ゆえに帝王切開となり、入院・帝王切開前後の苦労も面白かったです。
つらすぎてキレる著者の姿に笑ってしまいました。
身体的にも肉体的にも追い詰められているせいか、助産師の言葉に一喜一憂しすぎてしまい、著者は泣いてしまいます。病院でひとり泣いている著者を想像すると、心が詰まりました。
最終的には著者は子どもを愛するようになり、「この苦労をしてよかった」と思います。しかし、出産は他人に勧められるようなことではない、とも書きます。
周囲に恵まれていても、出産は苦しい。少し考えてしまう作品でした。