あらすじ・概要
衰退した人類が暮らす「わたし」の村に電気がやってきた。「ヒト・モニュメント計画」によって盛り上がる村だが、妖精さんたちはどこかに行ってしまう。そんな折、「わたし」は都市遺跡の調査中に迷子になってしまう。機能を停止した都市の中でサバイバルが始まる。
謎の遺跡でのサバイバルと「わたし」の個の登場
謎の遺跡で迷子になって探検して死にかける話。渇きで大変なことになるシーンがリアリティがあります。
今回は妖精さんの成分が低いこともあり、その分ギリギリ感が増しています。妖精さん、いなければいないですごく困ります。
遺跡を探検……と言っても人類は衰退しましたの世界がそもそも遠い未来の話なので、遺跡自体も私たち現代人の感覚からするとすごく科学が進んでいます。
そんな中で出会った明らかなオーバーテクノロジーを抱えた謎のキャラクターというのが楽しいです。
P子もO太郎も愉快なキャラクターで好きです。
ラストの種明かしと、「わたし」が選んだ結末にはしんみりしました。やらかしに対して「わたし」への断罪はものすごかったですけど。むしろ、このくらいで済んだと思うべきなんでしょうか……。
しかし引きこもり気質の「わたし」が他人を助けるためにここまでするというのが、面白いんですよね。
「わたし」の個性が引き出されつつあった巻だと思います。