あらすじ・概要
出口の見えない生活の中、パチンコにハマっていく東日本大震災の被災者たち。人は心が弱ったとき、依存症に陥りやすい。著者は日本のパチンコ政策への矛盾や、パチンコへ行くことの容易さの点を指摘する。ギャンブル依存症が多い国として、ギャンブルへの対策は必須のものである。
日本のパチンコ政策の矛盾とカジノについて
この本は、東日本大震災の被災者がギャンブル依存になってしまった話題から始まりました。ギャンブル依存と社会の関係について考えさせられます。
東日本大震災の被災者たちは、復興を目指しながらも強いストレスにさらされています。そこでストレス解消をしてくれるギャンブルにはまり、家庭を崩壊させる人すらいました。
日本中どこにでもあるパチンコ屋の存在が依存に拍車をかけます。仮設住宅の近くにもあったことに驚きました。
韓国にもメダルチギと呼ばれるパチンコに似たギャンブルがあったそうなのですが、法改正によって実質運営できなくなったようです。この辺り、日本の政策は遅れています?
また、「パチンコは違法である」ということを証明しようとする日本の弁護士もいて、パチンコ問題は重要な社会における重要なテーマなのだなと感じます。
後半は、日本のカジノ導入政策への批判になっています。
推定ではありますが、日本の病的賭博の人の割合は男性が9.6%、女性が1.6%。男性の1割近くがギャンブル依存症ということになります。
著者含め、ギャンブル依存症の予防や治療に関わる人は、ギャンブルが身近になってしまうカジノ政策に反対しています。
私もカジノには反対です。ギャンブルを身近にするのは危険すぎます。
短い本でしたが。知らないことがたくさん書かれていて面白かったです。