ブックワームのひとりごと

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睡眠障害持ちにとってのポケモンスリープ感想とアプリの可能性について

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2023年7月、ポケモンと一緒に睡眠を記録しながらゲームができるアプリ、Pokémon Sleep(ポケモンスリープ)がリリースされました。

私もダウンロードしてからは毎日のようにポケサブレをポケモンに与えています。

すでにいろいろな感想が出ていますが、メンタルヘルスに絡んでレビューしているものは少ないと思い、ここに記しておきます。

 

はじめに:なぜ私は睡眠障害なのか

まずは私の睡眠障害の内容について書いておこうと思う。

私が不眠症なのは、メンタルの問題というよりも、薬の副作用のせいです。

双極性障害(躁うつ病)の治療でとある薬を飲んだら、不眠の副作用を引き当ててしまいました。しかし薬自体は効いているので、睡眠導入剤を飲みながらその薬を飲み続けています。

不眠の副作用を持つ薬はたまにあるので、ストレスがさほどないのに眠れない場合、処方されている薬の副作用に不眠があるか調べてほしいです。

ただ、症状がひどい時期はストレスで眠れなくなるときもあったので、そのときのことを含めてポケモンスリープへの感想や意見を書こうと思います。

 

ポケモンスリープとはどんなゲームなのか

本題に入る前に、ポケモンスリープというのがどのようなゲームなのか簡単に説明しておきます。

ポケモンスリープは、「睡眠」を軸にしたゲームであり、睡眠しないとゲームが進行しないというところが特徴です。

ポケモンを捕まえて図鑑を完成させるという点では今までのポケモンシリーズと一緒ですが、そもそも寝て起きないとポケモンを捕まえるイベントが発生しません。

ベッドや布団の振動からプレイヤーが寝ているかどうか判断しているらしく、狸寝入りをして機械を騙すこともできません。

そのシステムのおかげでプレイヤーはなるべく長く、規則正しく眠ることを求められます。規則正しく眠ることによってもらえるゲーム内通貨や経験値も増えます。

 

ポケモンスリープは不眠に効くか→ストレス性の不眠にはあまりきかなさそう

 

ポケモンスリープが不眠に効くかというと、おそらくストレスが原因の睡眠障害には効きにくいだろうなと思います。

自力で治せないから病気というのであって、睡眠Tipsに書かれているようなことはたいてい試した後でしょう。

逆に、ストレスで不眠状態になっているときに、眠りが細かく数値化されてしまうと、眠りにこだわってしまって逆にうまく眠れない可能性があります。

うつなどの精神疾患の一環として睡眠障害になっている場合は、おすすめしないです。

ストレスが原因の睡眠障害は病院へ!

 

ポケモンスリープの恩恵を受ける人→ストレスがなくても同じ時間に眠れない人

ただ、ポケモンスリープが存在することによって、ストレスがなくても毎日同じ時間に入眠することが難しい人の助けにはなるかもしれません。

特に発達障害の人には決まった時間に寝て、決まった時間に起きることが困難な人たちがいます。

身近にも睡眠リズムが乱れがちの人たちは多いですが、彼らは「後回し癖」があり、「やりたいことを一旦置いてとにかく寝る」ということができないでいます。

しかし、睡眠の記録そのものをゲーム化することによって、睡眠を「やりたいこと」に変えることに成功しています。

本来ゲームではないものを、ゲームのようにシステムを組んで目標を達成することを、「ゲーミフィケーション」と言います。

 

ゲーミフィケーションのいいところは、大きなタスクを小さなタスクに分割することができる部分ではないでしょうか。

例えば「ねむりの約束」に間に合うようにベッドに入る、毎朝同じ時間にアプリを開いてポケモンを捕まえる、睡眠記録を始めてからは他のアプリを見ずそのまま寝る。ひとつだけこなしてもあまり意味はないのですが、この目標を複数こなせるようになると健康な眠りに近づいてきます。

医者や支援者から「睡眠リズムを整えなさい」と言われても、このような小さな目標のこなし方を教えてくれるわけではありません。しかしポケモンスリープはゲームを通して眠りのタスクを分割し、プレイヤーに提供しています。

ただ目標を達成させるだけではない、ゲーミフィケーションの奥深さを感じました。

 

ゲームが続かない私にも続けられる気軽さ

 

普通のスマホゲームは、時間をかければかけるほど強くなれるものが多く、飽きっぽくて集中力のない私にはつらかったです。

しかしポケモンスリープは気が向いたときにアプリを開き、きのみを回収したりカビゴンに食事をあげればいいのです。アプリを開いてから数分でやるべきことが終わります。

やりこむこともできなくはないですが、競争要素が少ないのでやりこめないことに罪悪感を感じることもありません。

ゲームとしての気軽さは強く、飽きっぽい私でも4週間続けることができました。

 

ポケモンスリープにこれから改善してほしいこと

一方でゲームとして不満がないわけではありません。

特に気になったものをふたつ上げましょう。

ひとつは待たされる時間の長さ。ゲーム内でいろいろポイントがたまるのですが、経験値が追加されたりレベルアップしたりするときのアニメーションがそこそこ長く、待つのが面倒です。

もうひとつは、アプリの不安定さです。特に朝は多くの人がアクセスするせいか、強制終了したりフリーズしたりすることが多いです。通信がままならなくなりきちんと睡眠記録が取れていないこともあり、悲しいです。

ゲームとしては楽しいので、少しずつ改善してくれればと思います。

 

以上、睡眠障害持ちの精神障害者の支店から、ポケモンスリープへ思ったことをまとめました。興味を持ったら、ゲームに触ってもらえるとうれしいです。