あらすじ・概要
市民の生活を守るはずの行政の現場で、非正規公務員たちが雇用の不安定さや賃金の少なさにあえいでいる。公立学校の非常勤講師や婦人相談員などの例を上げ、これからの行政での雇用を考える本。
待遇の差と雇用の不安定さの間であえぐ
単純作業だから、勤務時間が短いからではなく、重要な仕事が非正規雇用でなされていることを知りました。
前に読んだ『官製ワーキングプアの女性たち』とかぶるところもありますが、この本の方が著書がひとりなだけあってまとまっています。
賃金や待遇の差、努力しても雇い止めになってしまう現実は悲しいものでした。
後半は非正規公務員問題を重く受け止め、不平等をなくそうとする議員や自治体の試みが書かれています。
裁判でも非正規雇用公務員の問題が取り上げられ、行政に改革を促していたことは初めて知りました。
岩波ブックレットは手軽に読めて好きなのですが、対策に取り組んでいる人たちの紹介が薄いので、もっとこういうことを書いてほしいです。問題だけ提起されても、一般市民として誰を応援すればいいのかわからないし。
個人的には、非正規公務員でも優秀な人は正規公務員になれるようにしてほしいです。優秀な人でも雇い止めになるのはやりきれません。優秀な公務員を失うことは、市民にとっても損失だと思います。