ブックワームのひとりごと

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『オーロラの街』山本おさむ ビックコミックススペシャル

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オーロラの街(1) (ビッグコミックススペシャル)

 

あらすじ・概要

小学五年生の幸子は、久保というクラスメイトが気になるようになる。彼女は貧困家庭に暮らしていて、周囲からいじめを受けていた。幸子と久保は、友達になるが……。とある町を舞台に、貧困や差別、そしてそこから立ち上がろうとする人々を描いた連作中編。

 

貧困連鎖と親との関係と

ひとつのエピソードが長いので、連作短編というより連作中編という感じ。

弱い人たちが苦しさのあまりに加害者側に回ってしまうこと、親からかけられた呪いを解くのが困難なことは、今も昔も変わらないなあと思いました。

打ちのめされ、悩んでいる人間が、ふたたび立ち上がろうとする尊さを描いた漫画でした。

 

古い漫画ゆえに少々わざとらしい描写も含みますが、見ようによってはレトロで雰囲気があると言えるかもしれません。

実際、昭和の話ですしね。

 

作品の中で、繰り返し水害について語られるのですが、調べてみるとおそらく諫早豪雨のことのようです。

時期はずれているようですが、追悼のために川に灯篭を流すのも同じですね。

www.data.jma.go.jp

歴史的災害は、地元の人以外あまり思い出さなくなってしまうので、こういう形で知ることができてよかったです。