あらすじ・概要
韓国の一般男性、ウノくんのネットストーカーをしていた実祈。しかし、ウノくんに彼女ができてしまう。自分がウノくんが好きなことを知ってしまった実祈は、恋人と別れることに。報われない恋だと思っていたら、ウノくんからダイレクトメールが届いて……。
バイセクシャルの悩みを描きつつもオチにはツッコミどころが
アイドルでもインフルエンサーでもない、韓国の一般男性を好きになってしまったバイセクシャルの青年、美祈。会ったこともない人間に生々しい欲を抱く主人公が面白かったです。
フィクションにバイセクシャルのキャラクターがいても突っ込んだ話をしないことが多いですが、この作品はバイセクシャルであること特有の悩みを扱っていたところも面白かったです。
男も女も確かに好きではあっても、他人には「本当は異性が好きなんでしょう?」と言われてしまう悲しみ。同性愛者にはコウモリのように扱われてしまうこともあるようです。
また、バイセクシャルである息子を受け入れようとしつつも空気を読みすぎて空回りする両親の描写もリアルでした。「普通に扱う」が一番難しいんですよね。
しかし途中まで面白かっただけに、結末には納得がいきませんでした。特に、ウノくんの彼女の立場がないですよ!
せめて主人公の知らないところでごたごたがあって別れていたとか性格の不一致があったとかという描写にしてほしかったです。何も悪いことをしていない女の子がふられてそれがハッピーエンドですと言われるのはきついです。彼女、本当にウノくんのこと心配してたんだなってわかるので……。
主人公はちゃんとウノくんを好きになってしまったことに気づいて彼女を振って、悪役になることを受け入れているのでよけい気になりました。