ブックワームのひとりごと

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『ざ・ちぇんじ!』山内直実・氷室冴子 白泉社文庫 感想

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ざ・ちぇんじ! 1 (白泉社文庫)

 

あらすじ・概要

平安時代のとある帝の時代。綺羅姫と綺羅中将は、実は性別が逆。綺羅中将は女なのに女性と結婚する羽目になり、綺羅姫は尚侍として女東宮に使えることとなる。嘘が嘘を呼び、事態は混乱したまま綺羅中将が妊娠したと勘違いしてしまい、周囲の人間を置いて失踪する。

 

性別逆転ラブコメだがジェンダー観は古い

原作の氷室冴子の『ざ・ちぇんじ!』が『とりかえばや物語』の翻案なので、この漫画はさしずめ三次派生作品といったところでしょうか。

原作のあらすじはなぞりつつも、改変をした部分も多いので、『とりかえばや物語』について知りたい人は他のコミカライズを当たったほうがいいでしょう。

 

ラブコメとしてはとても楽しいです

女性から見てかわいいと思えるキャラクターが多くていいですね。三の宮は一途だし、女東宮はわがままだけどたくましいし、癖があっても魅力的です。

あり得ないような展開が続くのですが、それでもさくさく読めて笑える面白さです。

男たちのドタバタも楽しかったです。

 

しかし、ジェンダーを自由を描くとと言っても昔の作品なので、今となっては価値観が古いところも多いです。

特に女性が男性の、男性が女性の役割を演じることが「倒錯」であるという価値観は揺らがないので、逆につらくなる人もいるかもしれません。

面白いけれど「昔の価値観の作品である」ところは割りきった方がいいかもしれません。