あらすじ・概要
社会的弱者を支えるソーシャルワーカーは、コロナ禍の中どう行動し、何を考えていたのか。ソーシャルワーカーの書いた記事や対談を通して、コロナ禍の中の人々の苦難と、コロナ禍以降の福祉の可能性を語る。
コロナ禍の元でのソーシャルワーカーの悩み
一冊の本としてのまとまりには欠けるので、この本だけを読んでもよくわからないかもしれませんが、コロナ禍の下でソーシャルワーカーがどんな苦労をしていたかというのを知るのにはよかったです。
特に心が痛んだのは外出自粛による家庭内不和の増加です。子どもが親に虐待されるのはもちろん、老いた親が子どもに虐待される事例もあります。虐待とまではいかなくても、ぎくしゃくしてしまった家庭も多いでしょう。
学生が学校に行ったり高齢者がデイケアに行ったりするのは、弱い家族をケアする立場の人々を休ませ、閉鎖的な環境に陥らせない効果があるのだなと思いました。
今日明日の食事に困ることのなくなった弱者が、逆にケアに携わる可能性についても述べられています。コミュニティの中でケアする立場になることによって本人のやりがいにも繋がるし、またよくない波がやってきたときに周囲が気づきやすくなります。助ける・助けられるが気軽に入れ替わる社会の可能性は気になりますね。