ブックワームのひとりごと

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『性暴力対策ガイドブック』一般社団法人人権問題研究協議会 感想

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性暴力対策ガイドブック

 

あらすじ・概要

性暴力の恐ろしさは女性や子供だけではなく、男性の領域にも及ぶ。性暴力で起こりがちな問題をケースごとにQ&A形式でで語る。もし身近な人が性暴力を受けていたら、そして身近な人が性暴力の加害者になったら、自分はどのように行動するべきなのだろうか。

 

言っていることは間違いではないが語尾がおかしい

タイムラインにあまりにめちゃくちゃな性加害の情報が流れてくるので読んでみました。

Q&A方式で、性加害への疑問に答えています。

 

読んでいて思うのは、日本は性加害に対しての法整備が遅れていることです。罪に問おうと思っても、法律上うまく行かないことがあります。

また、親しい人に性加害のことを打ち明けられたら、どう対処するのか難しいです。私はたまたま性加害のトラウマを持たずに育ちましたが、そうでない人も多くいるのです。痴漢や不審者に遭ったことはありますが、トラウマというほどではありません。

文中でも他人に性加害を否定されてショックを受ける人たちが描かれていますが、私はつい否定したくなる気持ちもわかります。性加害はあまりにもおぞましいため、「本当はなかったんじゃないのか?」と否認の力が働くのだと思います。

 

また、松本人志氏のように複数人に性加害をしている人は同じ被害に遭った人を募って告発できるので有罪にしやすいですが、家庭内で行われる場合は被害者がひとりふたりな上に密室で行われるので有罪にするのが難しいです。

とはいえ被害者に我慢をさせるのも酷なので、第三者が介入して家庭を閉鎖的にさせない、離婚まわりの法律を整備してヤバいと思ったらすぐ離婚できるようにする。そもそも女性が経済的に自立しやすい社会にするという政策も大事だと思います。

 

間違ったことは言ってはいないですが、問題点もあります。

文中で「だね、だよ」、「だ、である」と「です、ます」という語尾が統一されておらず、突然読者にナメた口を利いているように見えてしまうのが残念でした。

語尾くらいで何だと思うかもしれませんが、追い詰められてている人や自我が完成しきっていない思春期の若者にとっては、「相手が自分にナメた口を利いた」というのは結構ショックを受けることなので意識してほしいところです。

団体内部でちゃんと文章を書けないのであれば、ライターを雇ってきちんとしたものにしてほしいです。

 

 

性暴力対策ガイドブック

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