あらすじ・概要
江戸時代の豆腐レシピ本、豆腐百珍。そこに書かれているレシピを全て作ってみるという著者の挑戦が始まった。おいしいまずいに一喜一憂したり、手間のかかるレシピに苦戦したり、江戸時代と現代の違いを実感したり。体当たりの実録コミックエッセイ。
生活に役に立たないことをやるのが文化を感じる
江戸時代の豆腐料理を再現してまずいとかおいしいとか言うことに深い意味はないです。しかし生活に役に立たないことをわざわざやるところに文化を感じます。
著者が数合わせに料理を出していたり、実際のおいしさを考慮してなかったり。だからこそまずい豆腐料理もたくさん登場します。その正直さに笑いました。
そしてレシピからまずいと察していながらも、きちんと作ろうとする作者の姿勢に気合いを感じました。ものによっては何時間もかかるレシピもあります。それを漫画の企画のために完遂するところがすごいですね。
労力としては下手な漫画よりも大きいでしょう。こんな手間のかかる企画にGOサインを出した編集部もすごいです。主に苦労するのは著者とはいえ、編集者もかなり著者に協力したようです。
地味だけれど、なかなか壮大な実験でした。
知っていても何の利益にもならないですが、こういう漫画があった方が人生が楽しい。そう思える作品でした。