ブックワームのひとりごと

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【人気の観光地からマイナーな土地まで】旅行をテーマにしたコミックエッセイおすすめ21選

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ChatGTPに提案されたまとめ記事を書くシリーズ、今回は旅行がテーマのコミックエッセイのおすすめ記事です。

 

3つの宗教が混じり合う聖地へ『イスラエルに行ってみた 旅行記コミックエッセイ』

バックパッカーとしてイスラエルに行ってみたいと思っていた著者。しかしイスラエルに入国後、敵対する国に行けなくなる場合がある。アラブの他の地域を巡ったあと、ようやくたどり着いたイスラエルは、3つの宗教の対立を象徴するような場所だった。

イスラエル自体はユダヤ人の国ですが、実際のところキリスト教徒やイスラム教徒多く住んでおり、その上多数の宗派に別れています。そんな他宗教の町で、ひりつくような勢力争いをしながらエルサレムはここまでやってきたんだなあと思うと悲しいような感慨深いような複雑な気持ちになりました。

そういう悲しさとは別に面白いエピソードもあります。複数の宗派が共同管理しているため、勝手に動かせず、数百年前のはしごが残っているエピソードにはちょっと笑ってしまいました。不謹慎かもしれませんが。

悲しさと面白さが共存した内容でした。

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俗っぽさと人文学的面白さが同居するコミックエッセイ『グレさんぽ~琵琶湖とかインドとか』

関西に住むイラストレーター・漫画家である著者。そんな著者が琵琶湖を巡ったり、伊豆に行ったり、インドにまつわる展覧会に協力したりなど、日々のことを語る。いろいろなところをぶらぶら歩いて見たものとは……。

琵琶湖を一周しようとして琵琶湖の周りを回る列車を途中下車したり、(世間的には)あまり知られていないような芸術家の作品を見に行ったり、周囲に何もない場所へ炭鉱の跡を見に行ったり。

マニアックであると同時に、「どうやって調べたらこんな場所にたどり着けるんだろう……」と思います。

そういうマニアックな場所を探し出して向かう著者の文化的素養と、漫画としての俗っぽさが同居していて、すごく面白かったです。

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いろんな地域のマラソン大会に参加して大阪マラソンへ『まんぷくローカルマラソン旅』

趣味としてのマラソンが軌道に乗ってきた著者は、各地域で開催されているマラソン大会に参加するようになる。そこで大阪マラソンの抽選に当選。タイムを縮めるためダイエットを志す。

マラソンって地域の人々も協力しているんだなあ……全然知らない文化だったので興味深かったです。

町を上げて沿道ランナーを応援する姿、地元のおいしいものを集めて給水ポイントで配る姿、マラソンに参加する人自体はいろいろな場所から来ているけれど、地域の人にとっても「祭り」なんですね。

特に面白かったのは走っている途中で用意されている食材を持ち帰り、その食材でカレーを作る「たんのカレーライスマラソン」。キャンプとマラソンが一緒になったみたいで楽しい雰囲気でした。

幸運にもこのマラソンにプロの料理人を誘えた著者一行がうらやましいですね。

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三国志のオタクが推しのために中国に渡り名所めぐり『杜康潤のトコトコ三国志紀行』

三国志が大好きで、三国志のことを調べるために中国へ留学までした漫画家、杜康潤。著者が中国旅行で巡った三国志ゆかりの土地や、三国志についてのテーマパークの内容を、コミックエッセイ形式で語る。巨大な中国では移動するだけで一苦労で……。

「何を言っているのかいまいちわからないけど熱意のあるオタクの語りを聞いているのは楽しいな……」という漫画でした。

面白さを理解できなくてもオタクが元気に跳ね回っているのを見るのはこちらとしても元気が出ます。

旅行記としては、中国の壮大なのに細かいところが大味なところ、雑なところが面白かったです。行ってみた三国志テーマパークが倒産して閉まっていることがよくあり、著者は何度もがっかりします。

でも土地や建物のスケールは大きいのでそういう雑さと大きさの交じり合う感じが面白かったです。

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杜康潤のトコトコ三国志紀行
杜康潤のトコトコ三国志紀行
  • 作者:杜康潤
  • スクウェア・エニックス
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海外マラソンに参加したけど完走できず、リベンジを誓う仲間たち『海外マラソンRunRun旅』

マラソンが趣味のたかぎなおこは、友人たちとともにワインが飲めるフランスのマラソン大会に参加することに。しかし猛暑や準備不足がたたって完走できずじまい。リベンジを誓った仲間たちは、ふたたび海外マラソンに参加し完走しようと、日々の努力を始める。

今回の海外マラソンも私は全然興味のなかった話でしたが、海外の異国情緒あふれる街並みや、目標を持って走りそれを達成する喜び、そしてマラソン後のグルメの楽しみはすごく面白そうでわくわくしてしまいました。

今はなかなか海外旅行に行けない生活ですけれど、やはり旅行っていいなと思える話でした。

構成としても一度失敗を味わったあと、改めてマラソンに挑戦する展開が応援したくなるような熱いものでした。

運動苦手なのでまねできるかというとそうではないんですが、それでも人が楽しそうなところを良質なコミックエッセイで見られるのはよかったです。

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関西弁の女性が北欧フィンランドを旅行『北欧フィンランド 食べて♪旅して♪お洒落して♪』

フィンランドに旅行に行った著者、てらいまき。友達と、ときにはひとりで。そこで出会ったかわいい雑貨や服、大自然の素晴らしさ、街並みの豊かさなどをコミックエッセイで紹介していく。

おしゃれなエピソードだけではなく道に迷ったり無駄にそりを引きずったり、とほほエピソードもあるのが笑います。

北欧関連のコミックエッセイは何冊か読んでいるので内容がかぶるところはありましたが、大自然の中の動物園や犬ぞり体験などは初めて見たので面白かったですね。

特に大自然の中、森に仕切りやおりを作って豪快に動物を展示している動物園の話がとても面白かったです。すごく行ってみたいな~。

真っ白な雪が積もる中、寒いところの動物たちを見られるのは楽しいでしょうね。著者も3周もしててそれだけ面白かったんだろうなと。

 

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イラストレーターがいろいろなお祭りを旅する『おまつり万歳!』

イラストレーターのたかぎなおこは、各地で行われるおまつりに興味を持ち、編集者とともに行ってみることにする。そこには地域の文化が色濃く表れ、熱気にあふれていた。お祭りを見、町のグルメに舌鼓を打ちながら、旅を楽しむ旅行エッセイ。

著者が東京在住だからか東日本のお祭りが多く、西日本に住んでいる身としては知らない情報ばかりだったので新鮮でした。こんな風習が!?とびっくりするのが楽しかったです。

かまくらのお祭りや雪まつりはこの辺では絶対に見られないですからね。かまくらで焼いたものを分け合う文化もすごかったです。

その土地で食べたものもおいしそうに描かれており、グルメ漫画としても読めました。

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弱虫ペダルの影響でロードバイクを始めたオタク夫婦『亀が無理してロードバイク乗ってみた』

自転車漫画『弱虫ペダル』の影響でロードバイクを購入した著者夫婦。しかし著者は体力がなく、とほほなエピソードを増やしてしまう。憧れのロードバイクが納車されるまでや、サイクリングイベントへの参加、ロードバイクで旅行など、自転車の楽しさを伝えるコミックエッセイ。

ロードバイクのかっこいいイメージとは裏腹に、とほほな失敗エピソードが多く、笑いながら読んでしまいました。

しかし事故のくだりは笑い事ではなかったので怖かったです。車と違って覆うものがないからちょっと当たっただけでも大ごとですね。

ブレーキが利かなかった話もなかなか怖い。でもAmazonのレビュー欄を見ると「初心者あるある」と書かれていて……そうなの?!

著者は体力がないので、ロードバイクに乗っていると体力のある夫に置いていかれそうになるエピソードが多く笑ってしまいました。

でもそのくらい体力がない人でも楽しんで乗っているというのは救いではありますね。

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白夜と極夜それぞれの時期にフィンランドで一人旅『はじめてフィンランド~白夜と極夜 ひとり旅~』

フィンランドに一人旅をしてみたい! と思った著者。フィンランドは日本から飛行機の直行便があり、思ったより早く行けるのだ。フィンランドに降り立った著者は、そこで街を観光したり、買い物をしたりする。オーロラを見たいと思った著者は、極夜時期のフィンランド行きを決意する。

サウナが社交の場として扱われていたり、サウナに入るための作法が面白かったり……自分とは違う文化のことを知れるのは楽しいです。

日本のお風呂文化と似ているようで違う、サウナ文化。私はサウナ苦手だけれどそういうものにも歴史があると知れるのはいいですね。

観光情報としては他の作者のコミックエッセイで見たものも多く、その点はまあまあかな。それよりも白夜と極夜でどれだけ服を着こんだかの情報が面白かったです。そこ大事だよね……。

情報として重要なだけではなく、「何を着て旅をしたか」って旅行記としての生々しさが出るから好きです。何を持っていったのかも好き。

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内気で引きこもり気質の漫画家が憧れの日本にやってきた『シンガポールのオタク漫画家、日本をめざす』

オタクで引きこもり気質の著者は、日本の漫画が大好き。日本に滞在したときに経験した面白いできごとやカルチャーショック、シンガポールでの引きこもり生活、日本で出版社に持ち込みを試みた日々。内気なシンガポールのオタクの悲喜こもごもなコミックエッセイ。

割と日本にやってくる海外のオタクの話は積極的で明るいキャラクターの人が多いんですが、著者は大変内気で引きこもり気質です。それゆえに結構暗いシーンも多いです。

特に出版社に持ち込みをしていたくだりは心が痛くなりました。編集者も仕事でやっているから仕方ないんですが、著者が消耗していくのが目に見えてつらいです。

ただ、あとがきで著者自身がその経験を肯定的に捉えているところが救いでした。結論としてはたくましいものでほっとします。

シンガポール人が日本語で描いている漫画なのでせりふが微妙にカタコトっぽく、そこが作品にリアリティを持たせていました。

日本で見たさまざまな文化に感動して、ひとつひとつ喜んでいるところはほほえましかったです。

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ストレス過多の女性はいつもと違うことをして気分転換する『週末プチ冒険はじめました』

日々のストレスに悩まされていた著者。ある日、いつもと違う行動をして「リセット」することを思いつく。ひとりピクニックから始まって、朝早く起きて朝食を食べに行く小旅行、スカイダイビングまで、著者が体験した「冒険」を描いていくコミックエッセイ。

リセットという言葉を使うとちょっとわかりにくいですが、要するに気分転換の話で、そのためにいつもと違う行動をしてみる、その延長線上に「冒険」があるという話です。

序盤はひとりピクニックや小旅行など、何気ない題材から始まります。こんなありふれた題材で面白いのかなと思ったら、結構楽しめました。

いつもと違う行動をすることによって違った見方を得て、その結果ストレスが軽減される、癒される。その過程がきちんと描かれていたからです。

単純に事実だけ伝えてもわかりにくい題材なのに、漫画だとさらっと入ってくるのがいいですね。

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個性的な温泉浴衣を追って各地の温泉街を歩く『温泉浴衣をめぐる旅』

イラストレーターふたりのユニットスタジオクゥは、温泉浴衣にほれ込み、面白い柄の温泉浴衣を探して各地を巡ることにした。文字、動物、人物など、さまざまな題材で描かれた温泉浴衣の柄を紹介しつつ、各地の温泉地の見どころを見ていく。そこにはその土地ならではの文化があった。

「温泉浴衣」というテーマが旅行漫画として画期的だし、なおかつ著者たちが本当に温泉浴衣に興味を持って調べていることがわかるので、その時点で100点になってしまいます。

調べるといってもただ情報の目立つところをさらうのではなく、自分の足で歩いて図書館で調べて……ときちんと労力を払って調査を行っています。

だから読み物としてボリュームがあり、じっくり楽しめます。

旅行の描写もおしゃれだったり有名だったりする場所に行くというより、著者たちが「面白そう」「興味がある」と思った場所に行くというところが好感度高いです。古いキャバレーだったりちんどん屋のお祭りだったり。この本ならではの情報がいっぱい詰まっているので、どこを読んでも中だるみするようなところはありません。

全力で知的好奇心を肯定してくれるような作品で、わくわくしながら読みました。おすすめの本です。

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フィリピンにある語学学校で出会ったのは愉快な韓国人たちでした『フィリピンではしゃぐ』

海外旅行好きだが英語が苦手な著者は、フィリピンに留学することを思いつく。借りていた部屋を引き払い、半年間の語学学校生活へ旅立つ。韓国系の学校ゆえ韓国人が多い環境、フィリピンの食事やお菓子、英語漬けの日々。最初は戸惑っていた著者も徐々に学校に慣れていき……。

まず語学学校のシステムが面白いです。フィリピン人の教師にマンツーマンで英語を教えてもらえるのですが、教師たちが個性豊かで面白かったり、最後の方はぐだぐだになったり。

全寮制で、ルームメイトのいる部屋も選べます。著者のルームメイトのサラはツンデレで、素直じゃない言い回しが多いんですが何だかんだで優しくしてくれる女性です。かわいい。

カタコトの英語しか話せない著者が英語の授業や、学生たちとの交流を経て、少しずつ上手くなっていくところは成長物語として楽しいです。でも最後の方ぐだぐだしていたのには笑いました。それもリアリティがあっていいと思いますけれども。

それから学校を離れて小旅行に行ったりご飯を食べに行ったりする話も土地柄が表現されていてよかったです。フィリピンならではの食文化がおいしいまずいも含めて正直に描かれています。あと若者がわいわいしているのは純粋にほほえましいですね。

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夫婦が1歳の子どもを連れてフィンランドを旅する『子どもと旅する北欧フィンランド』

イラストレーターである著者は、子連れでのフィンランド旅を決意。夫婦ともにフリーランスであることを生かして、自由に予定を立て出発する。1歳の子どもを連れて見たフィンランドは、美しく興味深い、子どもにも楽しい世界だった。著者たちはベビーカーを押しながらフィンランドのスポットを次々に巡る。

素人から言うのは上から目線かもしれませんが、この方絵がうまいんですよね。人間は絵本のような三等身の絵柄で描き、食べ物はちょっとリアル寄りに描いています。題材によってタッチを少し変えて、しかも違和感がありません。

建物や街並みも特徴を捉えていてかわいい。

著者はバイタリティにあふれていて、一日のうちにいろいろなスポット、観光地を巡り、おいしい食べ物を食べているのでこちらも楽しくなってきます。しかし、予定を立てるのが上手くないとこんなに要領よく回れませんよね。能力の高さを感じる。

今回のテーマは子連れ旅というのもあって、子どもが楽しめる場所の紹介が多かったです。遊園地や博物館、アウトドアなどなど。

同時に展示に飽きていたずらしようとしたり、記念撮影したいのに泣き出してしまったり、子連れらしいエピソードは大変そうでした。

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子持ち家族、クルーズ船を遊び倒す『おトクに楽しむ豪華客船の旅 クルーズ、ハマリました!』

クルーズ船にハマり、100泊以上を洋上で過ごした著者家族。乗ってしまえば目的地まで連れて行ってもらえ、船内にはさまざまなイベントやアクティビティがあり、食事やおやつも楽しめる。著者は今まで乗ったクルーズ船を振り返りながら、クルーズ船の面白さ、乗るときの注意点などを解説する。

私がクルーズ船に対して漠然と抱いていたイメージが、この漫画によって具体性を持ち始めたのがよかったです。

何となくキラキラした人たちがパーティをしている想像をしていましたが、どちらかというと「乗るアミューズメントパーク」と言った方が正しいです。アクティビティもイベントも盛りだくさんで、スパや食事が楽しめます。もちろんキラキラしたパーティも存在するのですが。

海外に行くクルーズ船は気軽には乗れませんが、国内クルーズならお金を貯めれば行けないことはありません。ちょっと乗ってみたくなりました。

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女性のために日本一周をするがその内容はとほほ『日本をゆっくり走ってみたよ~あの娘のために日本一周~』

36歳の漫画家・吉本浩二は連載していた漫画が終了し、無職状態になった。このままではいけないと、バイクで日本一周をすることに決めた。Eさんという憧れの女性と再会し、日本一周後にまた会うことを約束。Eさんにふさわしい男となるため、この度でたくましくなろうとバイクを走らせる。

日本一周というと聞こえはいいんですが、その内容はかなりグダグダで、成功談より失敗談のほうが印象的です。夜行フェリーで長話の人に捕まり寝かせてもらえなかった夜、実家に帰ったときの父親の不倫騒動など。

いわゆるとほほな自分を描いた、自虐旅日記です。

自虐ものは最近あまり興味がなくなってきたんですが、これは自分自身のいじり方が素直というか、失敗ばかりの自分自身を突き放して描いていて思ったより楽しめました。

漫画には「自分をよく見せよう」という下心がなく、それでいて「いい男になってEさんに再会したい」という目的があるので極端に道を外すことはありません。だから安心して読めました。

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極寒の街で街じゅうの人に歓迎される『世界で一番寒い街に行ってきた ベルホヤンスク旅行記』

 「世界で一番寒い街に行ってみたい!」と、Facebookでガイドしてくれる人を探し、飛行機を乗り継いでベルホヤンスクに向かった著者一行。そこは、濡れたシャツですら凍る街だった。著者

自然や精霊への信仰は日本に通じるものがあって親近感を覚えました。

そしてやっぱりロシアってアジアっぽい要素とヨーロッパっぽい要素がごっちゃになって存在しているんですね。

それから街の人総出で歓迎してくれているところが印象的でした。牧場で儀式を見せてもらったときも街の人が多く来てくれたり、学校を見学するときも学生たちがみんな参加して出し物をしてくれたり。旅行客がたまにしかこないため、もの珍しさゆえもあるでしょう。それでもこの気合の入りようはすごいです。

子どもたちが鈴なりになって著者たち旅行者を眺めているところがかわいかったです。

たちは、珍しい異邦人として街の人にさまざまな歓迎を受ける。

 

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情報たっぷりで北欧を旅する漫画『北欧が好き! フィンランド・スウェーデン・デンマーク・ノルウェーのすてきな町めぐり』

欧の美しいデザインや雄大な自然にあこがれていた著者は、北欧に旅に出る。そこには見たこともない街や風景があった。フィンランドでマリメッコやアラビアの店を巡り、スウェーデンでノーベル博物館を見学するなど、その土地ならではの文化や歴史、自然を訪ねていく。

北欧諸国で買い物をしたり自然の中を歩いたり観光をしたり、やっていることは普通の旅エッセイですがその情報量がすごいです。きっちり下調べをして現地に向かっていることがわかる内容の濃さ。こまごまとしたイラストで描かれる現地のアイテムや人々。

その分文字が多くて漫画としては読みづらいけれども、読みごたえがあってこれはこれでありです。

個人的に好きだったのはまめに食べたものの内容とイラストを描いてくれること。このイラストが本当においしそうで、異国っぽいです。文化の違う場所の食べ物はやはりいいですね。

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彼氏は男になるためにタイに飛び立つ『男になりタイ! 私の彼氏は元オンナ』

レズビアンの著者が次に付き合ったのはFtoM、女性から男性に移行しようとする人だった。彼氏のカイは性別適合手術を決意し、タイに渡る。手術についてよく思わないながらも、著者はそれについていくことにするが……性別移行+タイ旅行記のコミックエッセイ。

著者が手術に反対だったのは、「健康上のリスクがあるから」「レズビアンなので、男になった彼を好きでいられるか自信がない」「パートナーにはあるがままでいてほしい」という理由。この理由を読んでいると、性別移行によって戸惑うのは本人だけではないのだなと思います。

いつもFtoMの人が身近にいた著者ですら、「手術」というものには戸惑い悩んでしまいます。それでも手術を受け入れてタイについていくことにした著者はすごいですね。

英語もタイ語もよくわからないまま手術を申し込んだので、看護師や医者と「なんとなく」でコミュニケーションするふたりがおかしかったです。そんな適当で大丈夫ですか? 人生の一大事なのに。

まあでもこういう手術がすんなり受けられるタイってすごいな……。

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ポルトガルで「暮らしごっこ」をする二週間『ポルトガル朝、昼、晩』

k.m.p.のふたりは、ポルトガルの安宿に二週間泊まり、「暮らしごっこ」をすることにした。スーパーで食べ物を買い、仕事をし、散歩をして、昼寝をする。そんな観光ではない、海外での過ごし方を実践したふたりが見たものとは……。

私はこういう旅がしてみたいので、めちゃくちゃうらやましいですね。知らない町に行ってひたすら散歩をしたいし、その土地のスーパーに入り浸って料理をしたいです。

キッチンがないので簡易のまな板とナイフでサラダやサンドイッチを作るところも非日常でワクワク感がありますし、言葉がまったく通じず小さな辞書を買って指をさして会話をするところも手探りで最高にいい。

観光地に行ったとか、有名な店に行ったとか、普通の旅行記にあるような話題は『ポルトガル朝、昼、晩』にはほとんどありません。それゆえにその土地の空気感、人々の雰囲気がにおい立つように伝わってきて楽しかったです。

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一人でシベリア鉄道に乗ったら出会いがたくさんあった『女一匹シベリア鉄道の旅』

ユーラシア大陸を横断するシベリア鉄道。著者は女一人でシベリア鉄道に乗り込み、ロシアから中国を旅する。そこには同乗者の出会いや別れ、車窓から眺める美しい風景があった。

漫画絵なんですが、うまくデフォルメがきいていて、そこまで萌えっぽくないところがいいです。キャラクターの表情がはっきりと示されていて、実際にそれを見た気分になってきます。

色の塗り方もクレヨンのような質感になっていて、作品の雰囲気に良く合っていたと思います。

正直テーマとしてはそんなに特別なものはないと思うんですが、絵やコマの割り方、ストーリー運びが上手いのであまり気にならなかったですね。

展開にびっくりすることもはらはらすることもそれほどない、しかし読んでいてほのぼのとした気分になれる作品でした。

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以上です。興味があれば読んでみてください