ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

新書

「頑張れない」「我慢ができない」子どもたちをどう助けるか―宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』

あらすじ・概要 少年院の子どもたちに児童精神科医として携わった著者は、そこで反省できない、努力できない子どもたちに出会う。どうやら彼らはそもそも認知能力や知的能力が低く、自分をコントロールすることが苦手らしい。少年たちを社会に戻すために何が…

障害者のある子どもたちの成長し発達する権利を守るにはどうすればいいか―茂木俊彦『障害児教育を考える』

あらすじ・概要 体のどこかが悪い、知的に遅れがある、発達に遅れがある……。さまざまな面から子どもたちを教育から遠ざける「障害」。障害のある子どもたちにも教育に参加してもらい、成長する権利を保障するためにはどうすればいいのか。障害者教育の現場の…

江戸時代の豪商や百姓が残した遺言から人生を見る―夏目琢史『江戸の終活 遺言から見る庶民の日本史』

あらすじ・概要 戦国時代が終わり、長い平和が続いた江戸時代。そのころ、庶民はどう社会を見ていたのか。江戸時代の豪商や百姓の遺言を読み、当時の生活や社会の価値観について迫る。老境を迎え、自分の人生を振り返る江戸時代の人々の哀しくもいとおしい姿…

商店街から見る日本の政治史・社会史・商業史―新雅史『商店街はなぜ滅びるのか 社会・政治・経済史から探る再生の道』

あらすじ・概要 普段歴史があるものとして認識されている「商店街」。しかしその歴史は意外と新しかった。商店街の発生から衰退までを政治史、社会史、商業史の観点から語り、商店街と地域社会の「これから」を考えていく新書。

双極性障害を発見・治療・再発させないには―加藤忠史『双極性障害【第2版】―双極症Ⅰ型・Ⅱ型への対処と治療』

あらすじ・概要 活動的になる躁状態、意欲が低下しうつうつとするうつ状態を行き来し、生活に支障をきたす双極性障害。その発見、治療、維持療法はどのようなものなのか。双極性障害の患者や家族のために、使える薬剤や心理療法を解説する。

ギャンブルにはまる人々をどう救い、社会に戻していくか―田中紀子『ギャンブル依存症』

あらすじ・概要 日本の依存症者は20人にひとりと言われている。その中のひとつ、ギャンブル依存症はときに犯罪を引き起こし、子どもの教育に悪影響を与える危険なものだ。ギャンブル依存症の人々をいかにサポートし治療していくか、ギャンブル依存症の家庭で…

ヤクザをやめた男たちは厳しい世間にさらされる―廣末登『ヤクザと介護 暴力団離脱者たちの研究』

あらすじ・概要 今は介護の仕事をしている元ヤクザ。著者が聞き取った彼の半生は、犯罪と裏社会の人間関係で満ちていた。ひとりの元ヤクザの人生を語りつつ、ヤクザを離れた人々のその後を考える。暴対法によってヤクザを排除しつづける社会は、本当に安全な…

著作権の「やっていいこと」「やってはいけないこと」を知ろう―福井健策『18歳の著作権入門』

あらすじ・概要 身の回りにあるさまざまな小説・漫画・映像作品。それらはどこまで勝手に使っていいのだろうか。著作権法でできること、できないことを解説する、基礎的な著作権の知識を身に着けるための本。

情報が飽和するコロナ禍の中でニュースをどう取捨選択すべきか―白戸圭一『はじめてのニュース・リテラシー』

あらすじ・概要 巷にあふれるデマ・フェイクニュース。コロナ禍も相まって、真実を知ることはますます困難になっていく。ニュースを受け取る人々は、どのようにしてその良しあしを判断すればいいのだろうか。新聞記者であった著者が、メディア内部の事情を解…

ファミリーレストランの歴史から見る日本の家族と外食の関係―今柊二『ファミリーレストラン 「外食」の近現代史』

あらすじ・概要 日本各地にあるファミリーレストラン。それらはどこから来たのか。明治初期のデパートの食堂から始まって、郊外の路面店やショッピングモールに入るまで、ファミリーレストランの歴史を追っていく。そこには、日本における家族と外食の関係が…

意見には同意するがあまり信用できない本―神野直彦『「分かち合い」の経済学』

あらすじ・概要 富める者が富み、貧しいものはより貧しくなる資本主義社会。そこから脱却するには「分かち合い」が必要だ。貨幣によらない相互扶助が崩壊した社会で、「分かち合い」のシステムを作るにはどうすればいいのか。経済の今後を語る本。

煮え切らない内容で面白くなかった―鈴木伸元『加害者家族』

あらすじ・内容 ある日自分の家族が加害者になったら……。犯罪者の数だけ加害者家族がいる。家族らはいやがらせや脅迫を受け、住んでいた土地から逃げざるを得ない場合も多くある。被害者への罪悪感と「まさかうちの家族が」という感情の間で揺れながらも、過…

精神論にあまり興味が持てなかった―武田豊樹『競輪選手 博打の駒として生きる』

あらすじ・概要 スピードスケートから競輪へ転向した著者。彼を待っていたのは、「博打」の駒として生きる人生だった。アスリートとして高い収入を得る代わりに、観客の賭けた多額の金を背負って走り続けなければいけない仕事。著者はどのようにして重圧を乗…

日本語のプロが辞書編纂を通して、言葉でできた世界を見る―飯間浩明『辞書を編む』

あらすじ・概要 辞書編纂の仕事をしている著者は、新たな版の辞書を作るために「言葉」を追う。日常の中から気になった言葉を収集し、減らす項目、増やす項目について悩み、抽象的な用語の説明に四苦八苦する。言葉のプロが辞書作りを通して、日本語でできた…

パブリックスクールの成り立ちとイギリス文化に与えた影響―新井潤美『パブリック・スクール―イギリス的紳士・淑女のつくられかた』

あらすじ・概要 イギリスにおける名門寄宿学校、パブリック・スクール。何度もフィクションの題材にされてきたそれは、どのようにイギリス文化に影響を与えたのか。パブリック・スクールの始まりと発展をなぞり、現代のパブリック・スクール事情についても語…

人間の善意を無邪気に信じている本―今井一『住民投票―観客民主主義を超えて』

あらすじ・概要 ある政策について民衆に是非を問う、直接民主主義の一種「住民投票」。著者は日本各地で行われた住民投票の経緯と結果を調べ、その必要性を語る。「民意」はどのように政治に取り入れられるべきか……。

現代に流行りやすい感染症とは―井上栄『感染症 増補版 広がり方と防ぎ方』

あらすじ・概要 何度も人類を危機にさらしてきた感染症。どんなときに感染症は広がるのか? 感染症の種類や伝播する過程を紹介し、正しく対処する方法を語る。感染症をきちんと恐れ、科学的知識で戦う本。

マジョリティの価値観で書かれた発達障害本ってつらいな―岡田尊司『自閉スペクトラム症 「発達障害」最新の理解と治療革命』

あらすじ・概要 先天的なものであり、治癒が難しいとされてきた自閉スペクトラム症。しかし最近の研究で、発生には環境要因が強いことがわかってきた。自閉症の子どもを支えるため、親や周囲は何をすればいいのか。最新の情報とともに、周囲ができる治療方法…

「イクメン」「働く女性」として生きた男女のリアルな夫婦生活―奥田祥子『夫婦幻想――子あり、子なし、子の成長後』

あらすじ・概要 夫婦関係を研究している著者は、何組もの夫婦を長年追跡調査・インタビューしている。幸せを求めて結婚した人々は、何度もインタビューをするうちに夫婦生活の苦しみや固定観念に囚われていた自分を吐露していく。観察を通して、夫婦それぞれ…

女ことばの歴史はことばとイデオロギーの関係を表している―中村桃子『女ことばと日本語』

あらすじ・概要 小説の中や映画の中で女性が話している「~よ、~だわ」という口調。しかしながら、この話し方をする女性は全国的に見てもそれほど多くはない。なぜ、フィクションの中でこのような話し方が流布しているのか。「女ことば」の歴史を追いながら…

迷走した人間にしか語れない平成がある―雨宮処凛『ロスジェネはこう生きてきた』

あらすじ・概要 作家の雨宮処凛は、学生のころからいじめに遭い、バンギャになっても美大志望の少女になってもどこか名状しがたい生きづらさを感じていた。作者自身の半生を振り返りながら、「ロストジェネレーション=失われた時代に生きた世代」の息苦しさ…

イタリアの歴史と文化を映し出すパスタという食べ物―池上俊一『パスタでたどるイタリア史』

あらすじ・概要 イタリアの国民食、パスタ。小麦粉を練って作る麺で、短いもの、長いもの、変わった形のもの、さまざまな種類がある。パスタの歴史を紐解いてみると、そこにはイタリアの成り立ちや文化、ナショナリズムが関わっていた。今や世界中で食べられ…

どこを対象とした本なのかいまいちわからない―萱野稔人『名著ではじめる哲学入門』

あらすじ・概要 私たちを取り巻く世界とは、いったい何なのだろうか。「哲学」「政治」「民主主義」など、「○○とは何か」という問いの答えを哲学の名著の中から探す。多様化・複雑化する世界の中で、哲学がどう人間と社会を見て来たかを語っていく。

ウイルスの発見から感染の仕組み、未来への展望まで―岡田吉美『ウイルスってなんだろう』

あらすじ・概要 さまざまな感染症を引き起こし、人間の脅威であるウイルス。しかし、ウイルスを発見し研究することによって、科学は大きな進歩をしてきた。ウイルス発見の科学史から、ウイルスの特徴の奇妙さ、ウイルスがもたらした技術などを紹介する、学生…

今を考えてだいぶ憂鬱になる本―橘木俊詔『格差社会 何が問題なのか』

あらすじ・概要 日本の長い不景気の中、格差は広がり続けている。なぜ、格差は広がってしまったのか。格差を否定する政治家たちに反論しつつ、格差が生まれてしまったわけを解説する。格差を減らすには、どうすればいいのか……。

WHOの政治戦から見る人類と病との戦い―詫摩佳代『人類と病 国際政治から見る感染症と健康格差』

あらすじ・概要 新型コロナウイルスよりずっと前、ペストや腸チフスの時代から、人類は病と闘ってきた。人類の「病との戦い」はどう進歩し、どのような政治的駆け引きがなされてきたのか。WHOの取り組みとその中の政治戦を紹介しながら、人類と病の現代史を…

理屈が丁寧に説明された創作論―貴志祐介『エンタテインメントの作り方 売れる小説はこう書く』

あらすじ・概要 ホラー・サスペンス・ミステリなど、ハラハラドキドキさせる作品を作り続けヒットを飛ばしてきた貴志祐介。彼は創作のためにどのようなことを行っているのか。自分の作品や過去の名作を引き合いに出しながら、「面白い!」と思わせるエンタテ…

著者のスタンスがよくわからなかった―徳田雄洋『デジタル社会はなぜ生きにくいか』

あらすじ・概要 急速に発達していく情報化社会。しかしながら、それは本当に生きやすい社会なのだろうか。インターネット社会で起こるトラブルや悩みを紹介しつつ、テクノロジーや情報との向き合い方を考える本。

感染症医、性教育を語る―岩田健太郎『感染症医が教える性の話』

今日の更新は岩田健太郎『感染症医が教える性の話』です。 あらすじ・概要 感染症医である著者は、性感染症を通して性教育に関わっている。性教育は何をすべきで何をすべきでないのか、性を学ぶことはどんな意味があるのか、医師の視点から語る。そして著者…

「無症状キャリア」の人生を狂わせていいのか―金森修『病魔という悪の物語 チフスのメアリー』

今日の更新は、金森修『病魔という悪の物語 チフスのメアリー』です。 あらすじ・概要 アイルランド系移民で館の使用人だったメアリー・マーロウ。料理が上手く屋敷の主人からも信頼を得ていたが、彼女は腸チフスの無症状キャリアだった。今まで働いた屋敷で…