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ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

高校野球をめぐる短編集 『雲は湧き、光あふれて』感想

 須賀しのぶの『雲は湧き、光あふれて』を読みました。

須賀しのぶ流血女神伝のころから好きです。

 各話感想

ピンチランナー

腰を壊し、プロになる夢を絶たれた益岡。しかし、須藤は彼が一回きり打席に立つときの、ピンチランナーになることに……。

能力を持つ人の傲慢さと、能力を持つゆえの愛の話だなあと思いました。須藤がむかつくの痛いほどよくわかるんですが、これは益岡なりのチームの愛し方なんですよね。

スポーツを通した友情は危うくもあり強固でもあるんだと感じました。

『甲子園への道』

高校野球の記者がクールな高校球児に出会う話。

この月谷というヒネた選手がなんだか愛しいです。高校生のころってなんであんなに素直になれなかったのだろう……。

頭の良さと、野球への愛と、照れてそれを隠してしまう姿に逆にときめきました。

あと鳴瀬さんの気持ちに気づいてあげて。

『雲は湧き、光あふれて』

表題作。この作品だけ、第二次世界大戦中が舞台です。戦争によって野球が続けられなくなった球児たちの話。

どんなに努力しても、抗えない歴史の流れで夢は簡単になくなってしまうんですよね。なんとも無常です。

まとめ

須賀しのぶというと歴史ものですが、歴史ものは現代と違う世界を舞台にしているので、想像するのに時間がかかります。

でも現代ものだと歴史に興味がなくても想像しやすいので、須賀しのぶを知らない人にもお勧めしやすい一冊でした。

同じテーマの本が出ているようで、こっちも読んでみたいですね。

革命前夜

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