『ファミリーポートレイト』を読んだ流れで『推定少女』を読んでました。これは八年前なので結構昔の作品です。
あらすじ
義理の父親を弓矢で射てしまった「ぼく」こと巣篭カナ(すごもり・かな)。彼女は記憶喪失の少女白雪と出会い、ともに逃亡を始めます。ガンマニアの少年千晴も加わり逃亡を続けますが、カナは白雪が何者なのか気になって…。
海外のマイナーな映画を見ている気分
逃亡物語なのにどことなく切実さが足りないです。それがつまらないかというとそうでもなく、どことなく不思議な疾走感があります。そして思春期の(本人たちにとってはとても切実な)悩みがそこかしこにあります。
なんだかあやふやで混乱しそうな話で、三つも収録されているエンディングのおかげでさらに内容はあいまいになっていきます。どのエンディングもわかりやすいオチではないので、なんだか肩透かしを喰らいます。海外のマイナーな映画にこういうエンディングをよく見かける気がします。あとがきにも映画風の結末にしたかったとあったから、映画に影響されているのでしょうね。
もともと桜庭一樹が好きなので結構楽しめましたが、そうでない人にとってはあまりぴんとこない作品かもしれません。おすすめするなら『青年のための読書クラブ』や『赤朽葉家の伝説』を挙げますね。
まとめ
個人的には好きだけどおすすめしにくい話ではあります。わけのわからなさ、思春期の不安定さはとても面白かったです。
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