『星のひと』を読みました。
前に読んだ『でかい月だな』が面白かったので読んでみました。
あらすじ
お人よしの中学生、草太の家に隕石が落ちました。ひねくれたクラスメイト、草太の父、草太の恩人など、周囲の人はそれをきっかけに変わっていきます。一人の少年を中心にした連作短編集です。
悪い人はいないけれどままならない
この作品には基本的に悪人がいません。みんな優しくて、でも優しいからこそ傷つくんですよね……。べたべたな現代ものではあるんですがそこがいいです。
キャラクターがわけわからなくて面白いんですけど、それでいて「どこかにこういう人いるんじゃないかな」と思えるような塩梅なのがすごいですね。
個人的に衝撃だったのはビビアンですかね。あそこだけ少女小説みたいな明るさを感じました。内容的には明るくはないんですけど、彼女の前向きさがうらやましかったです。あんなふうに生きられたらなあ……。
星の引力でみんなを引き付ける、主人公がうらやましくもあり、それゆえにやっかいごとにまきこまれるのが大変そうでもあります。
まとめ
ふわふわした文体でありつつも妙にリアリティがある話でした。
不思議な雰囲気の作品でしたが、面白かったです。