文章がうまくなりたいのでいろいろ調べるシリーズ。今回は文章についての記事で紹介されていた一冊。
書籍概要
「は」と「が」はどう違うのか。正しい要約の書き方とは? 日本語学者の著者が、文法や単語の使い方を通して「読み書き」を教えます。文章を分解し丁寧に読み解くことによって、伝わりやすい日本語の使い方を考えていく一冊。
初心者には新しく、熟練者には基礎を思い出させてくれる
文章が非常に読みやすく、中高生でもチャレンジしやすい本です。しかし内容はとても濃いです。
似ている単語の使い分け、「が」と「は」はどう違うか、「のである」の問題点、文章の要約、などなど。丁寧に読んでいくと非常に頭を使います。
「文章がうまくなりたいけれどどこから始めればいいかわからない人」には基礎的なことを教えてくれ、「文章を書く習慣のある人」には、基礎が本当にできているだろうかと襟を正させてくれる本になると思います。
これはいろんなところでオススメされているだけある名著ですね。
文章にこだわる=古い表現にこだわるのではない
もう一つ、よかったのが著者の日本語への姿勢です。ことばを意識して使うことを解きながら、ら抜き言葉などの新しい表現を頭ごなしに否定しないんですよね。
古い言葉がよい、新しい言葉がよいとどちらかに偏ることはなく、「どのような日本語が伝えやすいか」という点にのみこだわろうという方針が快かったです。
コラムに著者の考え方について象徴的な一説があったので、引用します。
言葉を使うときはいつも相手に関わりたいという心を持つとき。相手が自分について、また自分の思うことについて分かっていないところがあるのを、分かってもらいたいと相手に求め、相手の注意を引き、相手の事情を知らせる。
(P209)
文法的な正確さや、誤用だけにとらわれ、「本当に伝えたいこと」をおろそかにしてしまうのも、同時に危険なのだと思います。
まとめ
シンプルな文章でサクサク読めますが、何度も読み返したくなる本です。これから文章を書こうと思っている人に広く読んでもらいたいです。
日本語はやっぱり面白い!
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