ブックワームのひとりごと

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日常の中の小さな悲しみを抱えて生きていく よしながふみ『愛すべき娘たち』感想

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愛すべき娘たち (ジェッツコミックス)

そういえば、よしながふみの現代ものって初めて読んだ気がします。BLは読んだことないんだな~。

 

あらすじ

大病から生還した母は、これをきっかけに結婚すると言い出した。その相手とは、娘よりも年下の俳優で……。一組の親子を中心に、それぞれの人間関係が描かれる連作短編漫画。

 

日常の中の小さな悲しみ

普通に生きていく中で、ちょっとした寂しさや、ままならなさを感じることがあります。そのようなささやかでネガティブな感情をよく描いていると思いました。

結構トンデモな展開があるけれど、それでもリアリティを感じる作品です。

 

各話感想

第1話

母親が若い俳優と結婚し、雪子は困惑する。

さらっと娘よりも年下の男と再婚するお母さん、かっこいいです。彼女が決めたこととはいえ、それでも子供としては複雑ですよね。

最後の雪子の本音がいとおしいです。

 

第2話

大学の教え子に迫られ、〇〇なことをされてしまう非常勤講師。

直接的な描写はありませんが、シチュエーションがだいぶヤバいですね! そしてこれで単純なハッピーエンドで終わらせないところが逆に面白かったです。

恋は度し難いですね。

 

第3話

誰とでも分け隔てなく接する莢子は、祖父の介護が終わったことをきっかけにお見合いをし始める。

彼女の心のうちはなんとなく予想していましたが、最後の選択が意外でした。でもこれが一番美しい終わり方だとも思います。

 

第4話

民間会社で勤め上げるのが夢と言っていた牧村。しかし彼女の人生は、少しずつ変わっていく。

昔の友達が、夢をあきらめ、過酷な人生の中で変わっていくところは思い当るところがありすぎて悲しいです。何かしてあげたいけれど、どうにもできないんだなあ……。

 

第5話

美しい娘の外見を否定し続けた母。彼女の真意とは……。

自分なりの思いやりがあってそうしたとはいえ、傷ついたのは確かです。こういうコミュニケーション不全はどこの家庭にもあるんでしょうね。

 

まとめ

ままならない価値観の違いや自分自身の問題を抱えているけれど、それでも生きていく女性たちがかっこよかったです。

淡々としていながら「あるある」と思える作品でした。