図書館のリサイクル本にあったので持ってきた本です。『星へ行く船』に番外編があったとは。
あらすじ
麻子は、恋人で探偵の水沢良行の探偵事務所で働いている。ある日、良行の弟である太一朗から「おふくろに会いに行く」と連絡が来る。しかし二人の母はすでに亡くなっていた。やってきた太一朗は女性と赤ちゃんと一緒で……?『星へ行く船』の番外編であり過去編。
麻子所長が好きすぎ
麻子が所長好きすぎて心配になるくらいでした。
あゆみも太一郎が好きなんだけど、彼女はそれでも周りを見ていました。しかし麻子は所長しか見てない!
そんな麻子が主人公なので、あゆみとは別の意味ではらはらします。所長に特別扱いされる太一郎に嫉妬したり、かと思えばのろけたり……。これはこれでジェットコースターみたいな小説です。麻子はあゆみのように腕力がないので戦わないんですがそれでもどきどきします。
所長もここまで愛されて幸せだろうなと思いますが、「ここまで愛されて怖い」とも言えるわけですね。
でも自発的に相手を愛してる女性という存在は大好きなので、笑いながらも楽しく読めました。
真樹子が強い
そして太一朗と一緒にやってきたのが、まだ若いころの真樹子。本編に登場したときよりもとげとげしい感じがしますね。どっちが怖いかと言うと本編の方だと思うんですが、たくましさ、強さはこのころから変わっていないんですね。
真樹子が所長と丁々発止のやりとりをするところは面白かったです。自分に自信がある人間同士の戦いでした。
ぴりぴりしたやりとりなのに、どこかユーモアを感じられるのは、二人とも過剰なほど自信家だということと、ライトな語り口があるからだろうなと思います。
まだまだ話は始まったばかりなので、このあと撒かれた伏線がどうなるのか気になりますね。
果たしてどこから子どもが来たのか……。
まとめ
『星へ行く船』とはまた雰囲気が違って面白かったです。
続きも入手してるのでぼちぼち読むつもりです。