ブックワームのひとりごと

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テロリストに占拠された空港から赤ちゃんを救い出せ 新井素子『星から来た船 下』感想

 星から来た船〈下〉 (コバルト文庫)

 

 

あらすじ

蘇我夫妻と孫の洋子が空港占拠に巻き込まれ、水沢事務所の面々は彼らを助け出そうとする。しかしテロリストには、空港を占拠した理由があった。果たして、スケールの大きい痴話げんかはどこに決着するのか。

 

 

悲しい真樹子の過去

明かされた真樹子の過去がなんだか悲しかったです。これを読んでから『星へ行く船』を思い出すと、真樹子の情の深さが違った感じに見えます。

でもそれ以上に彼女はたくましくて、強いのであまりかわいそうという感じはしません。そういうところが彼女の魅力なんでしょうね。

麻子は相変わらずのろけまくっていて、破天荒な真樹子にすら呆れられるレベルです。このふたり、どっちもどっちだな……。

もうこの事務所には、熊さんしかまともな人はいないのではないでしょうか。あとからやってくるあゆみも大概だし。

はちゃめちゃな人ばかりで飽きないだろうなと思いつつ、実際には働きたくないなと思いました。

 

対立する意見の解決策にずっこけた

それなりに面白かったんですが、事件に巻き込んだ張本人ふたりのオチにずっこけてしまいました。

「意見の対立した二人はどこで妥協するか」というのを楽しみにしてたのに、これは妥協どころじゃなかったです。もう完全に彼らのためにドタバタする意味なかったじゃん!?

とはいえこのシリーズが出たときには、結婚したら一緒に暮らすのが普通だったので、このオチは変ではなかったのかもしれません。

ただ今となっては、別居婚も結構あるし、単身赴任も普通なので、このふたりが変なこだわりを持ってしまっているように見えるんですよね。

時代の流れって、設定や雰囲気以上に、こういう価値観に現れるんですね。

 

まとめ

話は面白かったですが、現代との価値観の違いについていろいろ考えたくなるオチでした。

昔の作品って、面白さよりそこが気になってしまうこと多いですよね。

星から来た船 文庫 1-3巻セット (コバルト文庫)
 
星から来た船〈上〉 (コバルト文庫)

星から来た船〈上〉 (コバルト文庫)