ブックワームのひとりごと

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自分を縛る偏見を乗り越えることができるか―オースティン『高慢と偏見(上)』(光文社古典新訳文庫)感想

高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫)

今日の更新は、オースティン『高慢と偏見』です。

いろいろバージョンがあるので、タイトルにレーベル名を入れておきました。

 

あらすじ

聡明で理知的なエリザベスは、近所に引っ越してきた青年ビングリーとその友人ダーシーと知り合う。エリザベスは、ダーシーの高慢な態度に嫌悪感を抱く。一方エリザベスの姉ジェインはビングリ―に恋心を抱くが……。

 

現代にも当てはまる「偏見」の話

昔特有の上流階級ネタやキャラクターの呼び方が特殊なことが多くて、読みやすくはなかったです。しかし、書かれていることは、現代にも通じるところがあるなと思いました。

エリザベスもダーシーも悪い人というわけではないんだけど、自分の先入観やプライドに縛られています。読者視点では、「もう少し歩み寄れるんじゃない?」と思うんですけれど、実際にその偏見のさなかにいるとなかなか気づくことができないんでしょうね。

外側から見れば、「それは偏見だ」と言えるんですけれど、実際に出会い、言葉を交わしているときは気づかない。根の深い問題だなと思いました。

色眼鏡をなかなか外すことのできない登場人物を見て、共感するとともに、自分を振り返るきっかけになりました。

下巻では、彼らの「プライドと偏見」が解消されるのか、はたまたそのままのまま終わるのか、気になるところです。まったくネタバレを見てないので何も知りません。

 

主人公であるエリザベスの、「『雰囲気』が重んじられる社会でロジカルな思考をもって生まれる不幸」というのも他人事ではなかったです。

ともすると生意気に思われそうなエリザベスですが、別に間違ったことは言っていないし、なんだかふわふわした「こうあるべき」という概念に納得がいかないだけなんですよね。

エリザベスの父親など、彼女の思考回路を好ましいと思ってくれる人がいて本当に良かった。

ただそんな論理的な彼女も、偏見には縛られるというのがリアルです。偏見って、理屈じゃないんだよなあ……。

彼女のロジックが、偏見や自尊心に打ち勝てるのか、下巻が気になるところです。

 

まとめ

読みにくくはあったけれど、いろいろ考えさせられる話でした。名作に数えられているだけありますね。

下巻もがんばって読みます。

高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫)

高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫)