ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

イギリス

『魔女のやさしい葬列』黒釜ナオ RYU COMICS 全4巻 感想

あらすじ・概要 花売りのナンシーは、陰気な古物商ブレイロックと少女リラと出会う。彼らは、永遠の命を持つシスカを狩り、死による救済を与えようとしていた。リラを子どもとして好きになったナンシーは、リラに自分らしい自由な人生を歩んでほしいと望み、…

『旅のらくが記ヨーロッパ ピカソ美術館めぐり』まえだなをこ KDP 感想

あらすじ・概要 旅好きの著者、まえだなをこはヨーロッパに旅立つ。ゲストハウスや友人の家を転々として、ヨーロッパを横断していく。目的は、ピカソ関連の美術館を巡る人、旅先で出会った人々、おいしい食べ物を紹介しながら各地でピカソの絵を見る。 貧乏…

『1984』ジョージ・オーウェル 角川文庫 感想

あらすじ・概要 党のため文書の改竄を繰り返しているウィンストンは、同時に党の支配に強い嫌悪感を覚えている。彼は反体制行為であるはずの日記をつけはじめる。また、逢い引きをして危険視されている性の快楽を謳歌する。ウィンストンはさらに反体制組織に…

『ヨーロッパたびごはん』ながらりょうこ コミックエッセイの森 感想

あらすじ・概要 ドイツ、ベルリン在住の著者夫婦は、ヨーロッパを旅しながらその土地のおいしいものを食べる。パンやお菓子、屋台グルメ、豪華な朝食など、食事からその国の文かが見えてくる。かわいくて美麗な食べ物エッセイ。 絵柄がかわいくてかっこいい …

『砂糖の世界史』川北稔 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 お菓子にやコーヒー、紅茶に甘味を加えるために使われている砂糖。その歴史は、植民地支配と深く関わっていた。砂糖をめぐる欧州の国々と植民地の関係、そして、コーヒー、紅茶、チョコレートという他の商品作物との関係を説明する。 砂糖が…

ジョジョの奇妙な冒険のアニメを見た感想 ファントムブラッド/戦闘潮流/スターダスト・クルセイダーズ

Netflixで『ジョジョの奇妙な冒険』のアニメを見ていました。この記事はそのアニメの感想です。 本当は最後まで見てから投稿したかったのですが、思ったよりも話が長かったので三部までの内容にしました。続きも書けたらいいなと思います。 第一部 ファント…

『ダンピアのおいしい冒険』トマトスープ イースト・プレス 全6巻 感想

あらすじ・概要 貧乏だけれど学問に焦がれるダンピアは、私掠船に乗って旅をしている。船では保存食が乏しい。したがってその土地で入手した動植物を調理し、食べた。やがてダンピアの旅路は、波乱万丈なものとなる。 憧れと倫理のなさが共存する大航海時代…

『ミニオンズ』ピエール・コフィン 感想

あらすじ・概要 悪人をボスとして従う習性のある謎の生き物、ミニオンズ。ミニオンズたちは自分たちのボスを探してイギリスへ向かう。そこで出会ったスカーレットは、イギリス女王の冠を狙っていた。スカーレットをボスとしたミニオンズは王冠を求めて大立ち…

【アメリカ先住民の少女とイギリス人の対比がかわいそう】ディズニーアニメ『ポカホンタス』

あらすじ・概要 イギリスからアメリカにやってきたジョン・スミスは、アメリカ先住民の少女、ポカホンタスと恋に落ちる。しかし金を探しに来た探検隊たちは、先住民たちを排除しようとする。先住民たちも戦うしかないと戦の準備をするが、ポカホンタスはそれ…

【4コマブログで語る英国の食生活や文化】Kana『三十路だけどロンドン暮らし』

あらすじ・概要 ロンドンに移住した著者は、日本のグッズを売る店で働き、また、イギリス人の彼氏もできた。ロンドンで暮らしから、おいしい食べ物、日本との文化のギャップ、イギリスでウケる日本文化などを語る。 ポジティブな海外移住エピソード ポジティ…

【設定はいいのに終盤が尻切れトンボ】ディズニーアニメ『メリダとおそろしの森』

あらすじ・概要 王女メリダは弓が好きだが、母親にあれこれ小言を言われながら暮らしてきた。王女として望まぬ結婚をさせられそうになったメリダは、軽い気持ちで魔女の魔法の力を借りてしまう。魔法によって、母は熊の姿に変身してしまった。 男たちの責任…

【現代と地続きゆえにジェンダー観の違いがきつい】ディズニーアニメ『101匹わんちゃん』

あらすじ・概要 ダルメシアンを飼うカップルが結婚し、そのダルメシアンポンゴとパーディタもカップルとなり子犬を産む。しかし毛皮に目がない女性、クルエラにその毛皮の美しさを目につけられ、子犬たちは連れ去られてしまう。ポンゴとパーディタは、子犬た…

打ち切りらしいけれどまあ悪くない終わりだったかな―喜多みどり『亜夜子と時計塔のガーディアン 約束のチョコレート』

あらすじ・概要 英国に留学してきてレイのフォグ(下僕)としてこき使われている亜夜子。ある日、レイの親友が「切り裂きジャック」の容疑者として候補に挙がってしまう。調べるうちに判明した、切り裂きジャックの正体とは……。 男女バディものとして面白か…

男女バディミステリかと思ったら百合要素がすごかった―喜多みどり『亜夜子と時計塔のガーディアン 秘密のお茶会』

あらすじ・概要 イギリスに渡り、スタグフォード校に通うことになった亜夜子。スタグフォード学園の優等生であるレジナルドに助けてもらうが、彼は命の恩人であることを盾に亜夜子をフォグ(下僕)にしてしまう。レジナルドにこき使われるうちに、亜夜子は学…

平凡な召使いが魔法使いの教育を受けて王様になる―『王様の剣』

あらすじ・概要 ワートことアーサーは、養い親の息子の召使いとして暮らしていた。ある日ワートはマーリンという魔法使いと出会う。未来を見たことがあるというマーリンは、ワートに現代的な学問を教え、暴力ではなく知恵で困難を乗り切る方法を教えようとす…

統合失調症になった猫画家が妻の願いとともに苦しみの中を歩む―『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』

あらすじ・概要 画家として、亡くなった父に代わり妹たちを養うルイス・ウェイン。妹たちの家庭教師、エミリーと恋に落ちた彼は、身分違いの結婚をしてしばらく幸せに暮らす。しかしエミリーが末期の乳がんだとわかる。妻を看取ったあと、ルイスは猫を描く画…

ケルト時代から多文化移民社会までイギリス史をダイジェストで知る―近藤和彦『イギリス史10講』

あらすじ・概要 ユーラシア大陸の西の果て、島国として存在するイギリス。ブリテン島で暮らしていたケルト人の時代から、ノルマンコンクエストの時代、イングランド・スコットランドの確執、そして産業革命……。と、イギリスの歴史を10に分けダイジェストで…

冤罪をかけられようとする青年と、警察官の有色人種同士の即席バディ―シマ・シンヤ『ロスト・ラッド・ロンドン』

あらすじ・概要 ロンドンの市長が地下鉄で殺害された。大学生のアルは、同じ電車に乗っていたこと、ポケットに血まみれのナイフが入っていることから容疑者として浮上してしまう。「彼は犯人ではない」と考えた警察官のエリスは、彼を冤罪からかばい真犯人を…

社会のヒーローなら何でも許されるわけではないです―『ゴヤの名画と優しい泥棒』

あらすじ・概要 イギリスの老人、ケンプトン・バントンは老人や寡婦もBBCの放送料を払わなければならないことに憤りを感じ、息子とふたりで社会活動をしていた。政治活動のためにロンドンに向かったケンプトンは、そこでナショナル・ギャラリーのゴヤの名画…

読みやすいだけの毒にも薬にもならない作品―深沢仁『英国幻視の少年たち ファンタズニック』

あらすじ・概要 イギリスに留学している大学生の海は、ランスという青年出会う。彼は妖精を見る力を持ち、幻想生物にまつわる事件を解決して回っている英国特別幻想取締報告局の一員だった。海とランスは、妖精にまつわる事件に遭遇し、それを解決していく。

邪悪なうさぎが畑を巡って潔癖で偏屈な男と殺し合う―『ピーターラビット』(実写版)

あらすじ・概要 うさぎのピーターはマクレガーの畑から作物を盗み、人間のビアと友情を結んで暮らしていて。ある日、マクレガーが突然死し、畑を乗っ取って遊んでいたところ、その親戚の男がマクレガーの屋敷にやってくる。ピーターは畑を取り返すため、家族…

パブリックスクールの成り立ちとイギリス文化に与えた影響―新井潤美『パブリック・スクール―イギリス的紳士・淑女のつくられかた』

あらすじ・概要 イギリスにおける名門寄宿学校、パブリック・スクール。何度もフィクションの題材にされてきたそれは、どのようにイギリス文化に影響を与えたのか。パブリック・スクールの始まりと発展をなぞり、現代のパブリック・スクール事情についても語…

ドラァグ・クイーンになりたい少年がプロムでドレスを着ることを目指す―「ミュージカル『ジェイミー』」(大阪千秋楽)

あらすじ・概要 16歳のジェイミーは、本当はドラァグ・クイーンになりたいのだが周りに言い出せずにいる。しかし母から真っ赤なハイヒールをプレゼントされたことをきっかけに、その夢を押さえられなくなる。ジェイミーはドレスを着て、プロムに出ようと決意…

生きるために化石を発掘していたら古生物学に貢献していた―北神諒『コミック版世界の伝記 メアリー・アニング』

あらすじ・概要 海辺の町で育ったメアリーは、生活のために海辺で拾った化石を売っていた。いくつも大きな化石を発掘したことから、彼女の働きは古生物学の研究を促進した。しかし女性であり身分も低い彼女は、公の場では顧みられることが少ない。それでも彼…

日本人女性が家族とともにロンドン暮らし―玖保キリコ『ロンドン丼 英国暮らしは毎日がドッキリコ!』

あらすじ・概要 イラストレーターの著者は夫と子どもとともに、イギリスの首都ロンドンで暮らしている。ロンドンでの暮らしは文化の差を強く見せつけられることが多い。外国人から見たロンドンの姿を、エッセイと漫画で語る。

ゲイの歌手が見つけた仲間のいる喜びと苦しさと―『ボヘミアン・ラプソディ』

あらすじ・概要 ライブハウスに通っていた青年フレディ・マーキュリーは、ボーカルがいなくなったバンドに入れてもらい、そこで歌い始める。QUEENと名付けられたそのバンドは、リードボーカルのフレディの歌唱力を武器に有名になっていく。しかし、フレディ…

東園子・堀ノ内雅一『学習漫画 世界の伝記 NEXT エリザベス・ブラックウェル 運命を切り開いた世界で最初の女性医師』

あらすじ・概要 利発な女性、エリザベスは、「女性医師がいたらいいのに」というある女性の言葉から医師を目指す。しかし女性が入れる医学校はなかなか見つからず、ようやく医師になっても差別の連続。そんな現状を変えたいと、エリザベスは女性のための医学…

生々しい「毒親」の中に自分自身を見て自己嫌悪になる―アガサ・クリスティー『春にして君を離れ』

あらすじ・概要 弁護士の妻、ジェーンはバグダードで娘を見舞ってから、イギリスに帰ろうとしたところ、電車の不通により足止めされた。しかたなく宿泊所で過ごすことになるが、そこで友人との会話を思い出す。暇にあかせて考え事をするうちに、彼女は自分自…

アイルランドで、身勝手で色ボケした男どもに女性が苦しむ―『ローズの秘密の頁』

あらすじ・概要 聖マラキ病院で過ごすローズの元に、精神科医がやってくる。彼女は自らの生まれたばかりの息子を殺したが、「いつか息子が迎えに来る」と主張していた。精神科医は、聖書に書かれたローズの手記を読み始める。そこには、ローズの今までの人生…

気弱で優しい吃音の男がWWⅡ下での王となる―『英国王のスピーチ』

あらすじ・概要 イギリス王室王子のアルバート(バーティ)、のちのジョージ6世は、幼いころから吃音に悩まされていた。彼は妻の紹介で言語療法士のローグと出会う。初めはうさんくさく思いながらも、ローグがバーティにシェイクスピアをどもらずに朗読させ…