最近リメイク版のどろろにはまっているので、その宣伝を書きました。
ちなみに原作どろろには一通り目を通したことがあるけれど、だいぶ昔なのでかなり忘れてます。
あらすじ
盗みをしながら生活してる子ども、どろろは百鬼丸(ひゃっきまる)という少年に出会う。彼は鬼神に体を奪われ、それを取り戻すための旅をしていた。口もきけず目も見えず、耳も聞こえない百鬼丸に、どろろは興味を持ちついていくが……。一方百鬼丸の体を売った百鬼丸の父親醍醐景光(だいご・かげみつ)は、領地で不穏な動きがあることを知る。
硬派で生々しいキャラクター
どろろはキャラクターの作り方がすごく硬派で、それでいて魅力的です。
ほとんど何の反応も返さなかった百鬼丸が、体を取り戻すにつれ徐々に人間らしいふるまいをするようになっていくところ。
平気で泥棒をし、大人をからかうどろろが、それでも超えてはならない一線を持っているらしいこと。
百鬼丸の弟にあたる多宝丸が、両親が何か隠しているらしいことに思い悩む姿。
無理にキャッチ―な性格にするのではなく、人間それぞれにある普通の感情をベースに人格とストーリーを組み立てていくところが素晴らしいです。
ある意味でポップカルチャーの主流とは離れた、堅実で地味で、それゆえに人間臭いつくりが最高に面白いんですよね。
現代の時代劇アニメ
もうひとつ面白いのは時代劇的な演出を多用していること。
音楽はもろに時代劇っぽいオーケストラ曲だし、百鬼丸と鬼神たちの戦いは、もろにチャンバラ。過去シーンになると色がモノクロになるのは昔のフィルムを意識している気がします。
それでいて、チャンバラ時代劇に足りないものも、また補完して描いているなと思います。
どろろの世界は勧善懲悪ではないので悪代官や悪い大名はいない。侍はかっこよさのかけらもない。頑張った人たちも報われずに死んでいく。
時代劇を意識して書いてはいるけれど、また違った味わいがありますね。
ハードで甘くない鬱展開
どろろの世界観はめちゃくちゃ過酷です。とにかく人がしょっちゅう死ぬ。
この作品、本気で容赦ないなと思ったのは上下編の「守り子唄の巻」
音を取り戻した百鬼丸が出会ったミオ。初めての音の世界に混乱する百鬼丸は、ミオの歌だけは心地よく聞くことができます。彼女はみなしごたちと荒れ寺で暮らしていました。
その結末はネタバレになるから伏せますが……もう、すごいよ。百鬼丸と出会わなかったらああならなかったわけで、それ含めてつらいです。
一方で、その鬱展開には不幸に酔ったところがありません。どこかクールで、ドライで、それゆえにダメージが大きいです。
視聴者を甘い悲劇に酔わせてくれない、でもそれはある意味倫理的な描写でもあります。悲劇はポルノじゃないんだよ! という姿勢を感じますね。
まとめ
というわけで、どろろ、ぜひ見てくれよな!!
面白さは保証します。鬱展開に耐えられるかは保証しないけど……うん。