ブックワームのひとりごと

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うさぎと鬼と神社をめぐるロードムービー『神在月のこども』見た感想 Netfix配信 

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神在月のこども スタンダード・エディション [Blu-ray]

 

あらすじ・概要

主人公カンナは走るのが大好きな少女。しかし母を病気で亡くしてから、思うように走れなくなってしまう。カンナはうさぎに乗り移った神から、自分が俊足の神、韋駄天の末裔だと聞かされる。全国の神が出雲に集う神在月のために、カンナは馳走を集めることになる。

 

いい子だって自分のために生きていいんだよ!

全体的に派手さがなくあっさりしたアニメですが、最後まで見るとこれはあっさりした話でよかった、と思いました。

 

主人公カンナはスポーティで走るのが好きな少女。髪の毛はぼさぼさで、いつも動きやすい服を着ています。外見はいわゆる「普通の女の子」ではありません。

しかし作中ではそのことにツッコまれないまま話が進行します。運動が大好きな女の子も普通の女の子として扱うつもりなんだな、という方向性を感じます。

 

元気に走る一方で、カンナは、母親の死に傷ついています。カンナがいい子であるゆえに、父親の前で無理に元気に振る舞ったり、馳走をめぐる旅にも「他人のために」頑張ってしまいます。

カンナが他人のためではなく、自分が走りたいから走るのだ、という結論に至ったところはじーんとしました。優しいからこそ、他人のことばかり考えてしまいます。でも、自分のために走ったっていいんですよね。

 

ハッピーエンドではありますが、登場人物すべての願いが叶うわけではありません。そのドライさに驚きましたが、「見返りもなく自分のために走る」という結論に付随する結末としてはこれでよかったかもしれません。

恋愛関係になるのかなと思ったキャラクターとすら、さらっと別れていました。カラッとしてますね。

 

この記事を書くために韋駄天について調べていたら、韋駄天そのものが釈迦のために「馳走」を集めた逸話があるのを知りました。私は神道に詳しくないですが、こういうネタがところどころに仕込まれているんだろうなと思います。