今日の更新は、森川弘子『年収150万一家』です。
あらすじ
夫はSF作家、妻はイラストレーター。生活が不安定なふたりは、節約しながら暮らしている。いかに食費を減らし、やりくしりて生きていくか。妻である森川弘子の節約レシピを紹介。
レシピが多くて面白い
コミックエッセイでありながら、レシピ数がとても多いので読みごたえがありました。工夫の数々はとても興味深かったです。
節約するための著者のマメさ、食に対する熱意は感嘆に値します。切り詰めてはいるけれど、そんなに苦ではないのでしょう。
節約話なのに一貫して明るく、楽しげなのがよかったです。うじうじしたところがなくて前向きになれました。
ただ、この家族の生活をまねできるかと言うとそうではないですね。
まず、この家族にはお米をくれたり食材を譲ってくれたりする身内や友人がいます。その時点で、どちらかというと恵まれています。
『反貧困』風に言うと「溜め」がある。
反貧困についてはこちら。
そこからもう一度引用しますが、
“溜め”の機能は、さまざまなものに備わっている。たとえば、お金だ。
(中略)
しかし、わざわざ抽象的な概念を使うのは、それが金銭に限定されないからだ。有形・無形のさまざまなものが、“溜め”の機能を有している。頼れる家族・親族・友人がいるというのは、人間関係の“溜め”である。また、自分に自信がある、何かをできると思える、自分を大切にできるというのは、精神的な“溜め”である。
(『反貧困』P78~79)
この方は、いわばお金以外の「溜め」を身に着けている人だなあと思います。
逆に言えば、貧困を克服するにはお金が一番だけれど、縁やつきあいを再構築する手段もあるよね、ということなのかもしれないです。
しかし私はコミュニケーション力が弱いので、そういう貧困打破方法はめんどうかもしれません。
やっぱり気軽に真似はできないですね。
まとめ
真似はできないなと思ったけれど、内容的には面白かったです。節約に興味がある人にはおすすめです。
レシピ本としても情報量が多いので、楽しかったです。
- 作者: 森川弘子
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