ブックワームのひとりごと

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描写力によって「絵で語る」飯テロ漫画―鈴木小波『ホクサイと飯』

新装版 ホクサイと飯

今日の更新は、鈴木小波『ホクサイと飯』です。

 

あらすじ

売れない駆け出し漫画家の山田ブン。うまくいかない創作活動に悩みつつ、彼女は料理をする。ぬいぐるみのホクサイを相手に、今日もおいしいものを食べるのだった……。

 

描写力がすごい、説得力がある

演出が派手で面白いです。もやしを育てるのを失敗して、大慌てになる表情のダイナミックさ。田舎に帰って祖母にもらった貝の佃煮のおにぎりを食べながら、海に沈む空想をするシーン。

日常作品なのにどこか切り取り方がファンタジックでした。

絵に説得力がある、とても漫画らしい漫画でした。せりふに頼らない強さがあります。もちろんせりふも面白いけど。

悩んでいる漫画家が料理を作って食べる、というだけのシンプルなあらすじですが、漫画としての演出の面白さで楽しめました。

 

メインは食事だけれど、駆け出し漫画家のうまくいかない創作事情も面白かったです。

締め切り間際に真面目な料理をしてしまったり、打ち切りに遭い沈んでいるところで田舎に帰ったり。お金がなくて空き家に侵入して栗を拾ったり。

そういうサブストーリーが「料理」というメインストーリーとうまくかみ合っています。

漫画家にこういうこと言うの変かもしれませんが、めちゃくちゃ漫画が上手い。しっかりした「絵で語る」能力のある漫画でした。

 

まとめ

とても安心して読める、しっかりした作品でした。

続編というか、過去編が連載であるみたいなのでそっちも機会があれば読んでみたいです。

 

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 売れっ子漫画家による夜食コミックです。

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