ブックワームのひとりごと

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ふざけるならまじめにやれ―草野原々『最後にして最初のアイドル』

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最後にして最初のアイドル (ハヤカワ文庫JA)

今日の更新は、草野原々『最後にして最初のアイドル』です。

 

あらすじ

アイドル活動をするために少女が自己改造を繰り返す表題作、ガチャで生活崩壊した少女が転生して進化していく『エヴォルーションがーるず』、声優の力を使って宇宙を進むスペースオペラ『暗黒声優』の三編を収録

 

好みじゃないけど面白いのはわかる

「そこまでやらなくても」という部分で、全力でアクセルを踏んでくる作品でした。

オタクカルチャーをテーマにしながら、暴走するストーリーを構築していくところがやばいですね。面白いというかやばい。

そしてすべての短編のオチは宇宙の真実に触れて終わり、私は「なんだったんだこの話は」と思って読了しました。本当に何なんだ……頭の周りにはてなが飛び回るのが見えるようでした。

 

しかし、面白いのは認めるけれど、個人的な話をすればこの作品好きではないですね!

アイドルにしてもガチャにしても声優にしても、テーマに対して冷笑的で斜に構えた描写が多いです。

バカSFをやるなら、ふざけるなら、本気でやってほしいです。

なんだかリカちゃん人形をバラバラにされて「面白いでしょ?」と聞かれているような気分です。

ただ、そう思っていても、ストーリーを積極的に追ってしまう、続きが気になってしまうのは作者の実力だと思います。

 

あと、あまり長く続けられる芸風ではない気がするので、今後どうするんだろう……という疑問があります。

 

まとめ

自分の好みのタイプの作品ではなかったですが、面白いのはわかる作品でした。

こういう作品に人気があるのは理解できます。

 

最後にして最初のアイドル (ハヤカワ文庫JA)

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最後にして最初のアイドル【短篇版】

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