ブックワームのひとりごと

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幻想の中で自立する女性―『Dr.パルナサスの鏡』

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今日の更新は、『Dr.パルナサスの鏡』です。

 

あらすじ

ショーをして旅をしているパルナサス博士の一座。彼の出し物は、鏡の中で想像の世界を見せること。ある日、そこに記憶喪失の男トニーがやってきた。トニーはその話術で一座を少しずつ変えていく。

 

よくわからないけど面白い

第一印象で言ってしまうとよくわからない映画ですね。一言でストーリーを説明しがたいです。幻想的なシーンが続き、それにどういう意味があるのか悩んでしまいます。

 

一方で、そういうわからない映画でありながら面白いです。シュールレアリスム絵画のような鏡の中の世界は気味が悪くて美しいです。幾重にもでたらめな展開が続き、物語の中で迷子になったような気分でした。

雲へと伸びるはしご、一面の蓮の中でのダンス、崩壊するホール……「どうやったらこんなの思いつくんだ?」というシーンばかりです。そこがとてもわくわくしました。

万人におすすめできる映画ではないですが、この幻想的なCGだけでも見る価値があります。私は他人の夢の話を聞くのが好きなので、この世界観と演出はとてもおいしかったです。

 

この作品のテーマは「親からの解放」なのだろうなと思います。パルナサス博士は娘を愛してはいますが、どこか「自分の付属物」とみなしていて、彼女自身のやりたいことをわかっていません。

16歳になると悪魔に差し出されるということを知った彼女の気持ちを思うと心がつらいです。

自分の周りの男性の束縛から離れ、自分の足で歩き始めたエンディングはさわやかでよかったです。

そしてパルナサス博士も「彼女の人生は彼女のもの」ということに気づいたようでよかった。これはこれでハッピーエンドなのではないかと思います。

 

まとめ

おすすめしがたい映画ですが私は好きです。こういう不思議な映画があってもいい。

夢日記を見るのが趣味な人にはおすすめです。