ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

人食いの女王候補が下した決断―須賀しのぶ『アンゲルゼ 永遠の君に誓う』

このブログには広告・アフィリエイトのリンクが含まれます。

アンゲルゼ 永遠の君に誓う (集英社コバルト文庫)

今日の更新は、須賀しのぶ『アンゲルゼ 永遠の君に誓う』です。

 

あらすじ・書籍概要。

「女王蜂」としての能力を開花させていく陽菜。そんな折、有紗が寿命を迎えつつあることがわかる。彼女に執着されていた敷島は……。有紗の死を目の前にした陽菜はある行動に出る。

 

思い切った行動に驚き

有紗の死は壮絶でしたね。幼いころから戦わされ、普通の友達がいなかった有紗。彼女は依存的なほどに敷島に恋します。

そんな彼女が、陽菜と湊に少し愛着を持っていたらしいことがまた悲しいです。写真に指紋がついているシーンはとてもつらかったです。

そう生きるしかないとわかっていたからこそ、敷島もあの恋慕を許していたのでしょうね。結末は苦しいけれど、有紗は短い人生を精一杯生きました。それはほめられてもいいことだと思います。

 

自分がアンゲルゼを統べる「女王蜂候補」だと知った陽菜は、ある決断を下します。これは最初読んだとき衝撃的でしたね。

彼女がそこまで思い切った行動をとるとは、1巻のときは想像はしていませんでした。

覚野も彼女にしっかりしてほしいと思っていたけれど、ここまでしっかりしてほしいとは思っていなかったでしょうね。

去っていく陽菜を見つめることしかできない覚野がかわいそうでした。でも、彼が生きて追いかけてくれることが陽菜の救いでもあります。これはこれで、美しい結末だと思いました。

 

それぞれの心情に決着はついたけれど、世界観としてはまだわかってはいないこともあり。補完同人誌を読んだらもう少しわかるのでしょうか。

いつか再録のタイミングがあったら読みたいです

 

まとめ

再読しても地獄みたいな話でした。やっぱり須賀しのぶはすごいですね。

また機会があったら他の本も読み返したいです。