ブックワームのひとりごと

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バルサの旅は諜報戦の様相を呈す―上橋菜穂子『天と地の守り人<第一部>ロタ王国編』

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天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)

今日の更新は、上橋菜穂子天と地の守り人<第一部>』です。

 

あらすじ・書籍概要

海に飛び込み行方が分からなくなったチャグムを探し、バルサは旅立つ。チャグムが持っていた宝石を手掛かりに旅をするうちに、彼が海賊につかまったことを知る。はたしてバルサはチャグムに再会できるのか……。

 

スパイだらけの諜報戦

この前作を読んだのが何年も前なのに話が分かるのがすごいですね?

さりげなく「これまでのあらすじ」が説明されていて、それでいて長ったらしくない。シリーズものには地味に必要なことですよね。

 

バルサの旅には何人もの密偵が関わり、諜報ものの様相を呈しています。このシリーズ、密偵や暗殺者の負う役割が大きいですよね。

バルサの仕事が用心棒というのもあるだろうけれど、国の命運を決めるうえで諜報活動が重要視されるというところ、なかなかリアルで好きです。

ロタのあらあらうふふな感じの女性スパイマスターや、タルシュの腹にいろいろ抱えていそうな密偵と、キャラクターも濃くてよかったです。

 

チャグムの足取りをたどるうちに、バルサは彼がどこで何をしようとしているのか知ります。それは、新ヨゴとロタ、カンバルに同盟を結ばせること。

チャグムはいい子なんだけれども、やっぱり年相応の幼さもあり、海千山千だらけの政治の世界ではまだ弱者です。

そんな彼が新ヨゴの滅びに抗い、なんとか未来をつなげようとするところが燃えどころ。今後彼が清廉でいられるのかは気になりますね。

 

まとめ

久しぶりに読んでみたら面白かったです。ぼちぼちと完結まで読み進めたい。

 チャグムはどうなるのかなあ。

天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)

天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)