ブックワームのひとりごと

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『ぼおるぺん古事記』こうの史代 平凡社 全3巻 感想

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ぼおるぺん古事記 一 天の巻

 

あらすじ・概要

古代より遠い昔、イザナギとイザナミという神様が日本の土地と神々を産み、国を作り出した。日本神話をつづった「古事記」をこうの史代が解釈し、コミカライズした。ボールペンという限られた画材を使った漫画。

 

ボールペンで描かれる幻想的で自由な日本神話の世界にうっとりする

ボールペンのみで描かれた古事記のコミカライズです。一見黒ベタに見えるところもカケアミを繰り返してボールペンで描かれています。

ときおり、作中に出てくる古い歌がカラーボールペンで描かれます。これがとても幻想的で美しいです。印刷で色調調整するの大変なのではないでしょうか。

絵が上手いってすごいことなのだなあ……と改めて感じました。

 

古語のまま描かれているので、読みやすさの点では劣ります。しかしそれを補って余る作品のエネルギーを感じます。こういう作品で古語に触れるのは、むしろいいことなのかもしれません。

漫画の下の方に作者の解説が書かれており、話が全くわからなくなることはありませんでした。

 

古代日本風の世界観なのに、突然洋服を着た神様が出てきたり、スワンボートが出てきたりと雰囲気はごっちゃになっています。

真面目な漫画なのにすっとぼけたギャグも入るところに笑いました。

 

普段古事記について調べると煩雑すぎてカットされるところも、書いてあって面白いです。国産みで次々に神が産まれるところや、神々の家系図が興味深いですね。

一応3巻で一区切りですが、著者は続きが書きたいそうなので、期待してしまいますね。

 

 

 

 

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