今日の更新は、グレゴリ青山『しぶちん京都』です。
あらすじ・概要
京都に生まれ育った漫画家、グレゴリ青山。彼女が地元民ならではのお金がかからない見どころを紹介。他府県民が知らない、「しぶちん」=「けち」な京都の世界とは……。
自虐を含めた京都賛美
京都を褒めたたえるような話ではなく、自虐やあるあるを交えて京都を語っています。そういうところが逆によそ者の私にとっても楽しかったです。
ガイドブックのような本ではなく、コミックエッセイが主体の本なので、旅の目的地が知りたい人には向いていないかもしれません。
面白かったエピソードはふたつあって、ひとつは著者が市場でアルバイトをしていたとき、いけずで厳しいおかみさんの下で働く羽目になった話。こんなアルバイトは気が重かっただろうな……という発言の連続です。でもこうして笑い話にできるスキルがあってよかったですね。
もうひとつは京都の国体のキャラ「未来くん」を主人公とした話。京都タワーと京都国立博物館の二編があります。
完全に未来くんのキャラクターを想像で描いているのに「ありそう」と思ってしまうリアリティがあります。捏造二次創作なのに生々しい……。こういうキャラだと思ってしまいそうです。
京都タワーにぜんぜん興味がなかったのに、この未来くん編を読んで急に行きたくなってきました。
『しぶちん京都』まとめ
ありがちなかっこいい京都、美しい京都から離れて、生活感あふれる庶民から見た京都が見れたのが楽しかったです。
著者はいろいろ京都本を出しているようなので、機会があったらまた読んでみたいです。