ブックワームのひとりごと

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自虐の皮をかぶった埼玉愛郷映画―『飛んで埼玉』

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翔んで埼玉

今日の更新は、『飛んで埼玉』です。

 

あらすじ・概要

 娘の結納に向かう一家は、ラジオである都市伝説を聞く。かつて、埼玉県人は迫害され、東京に行くには通行手形が必要だった。白鵬王学院に転入したアメリカ帰りの麻実麗(あさみ・れい)は、生徒会長の壇ノ浦百実と出会う。百実は麗に惹かれていくが、麗は埼玉県人であり、ある密命を帯びていた……。

 

「何もないけど、いいところ」と言える強さ

いやこれは、自虐の皮をかぶった愛郷映画だよ!

繰り返される「埼玉には何もない」という言葉。ローカルネタはふんだんにちりばめられていますが、そのどれもがニッチすぎて私のような関西人にはよくわかりません。シラコバトとか初めて知りましたよ。

でも「何もないけど、いいところじゃないか」という少年のせりふで示されるように、愛郷心というのは何もなくても持っていていいのです。逆に何もなくても愛せるのならそれは強い愛です。

素晴らしい文化があるとか、観光地があるとか、そういうことはオマケでしかない。そこに住んで、「好きだ」と感じたら故郷に誇りをもっていいのだ。という一貫した姿勢があります。

だからこそ、どれだけ埼玉や千葉をディスったとしても、関東の人たちに受け入れられたんだと思います。

 

ギャグ映画で、強いメッセージ性を感じるのはやぼかもしれません。しかし東京一極集中が進む時代に、この映画がヒットするというのは必然的なものを感じます。

都会であることがいいことで、人が集まる場所が素晴らしくて、田舎はつまらない。そういう価値観に一石を投じる作品でした。

 

いろいろ考えこんでしまったけれど、頭空っぽにしても楽しいので気軽に見てほしいです。

GACKTにBLを演じさせようとするのは大正解ですよね。昭和の少女漫画みたいな外見でめちゃくちゃ似合うわ……。

二階堂ふみの百実もかわいいです。きゃるーんとしてても許してしまいます。

 

『翔んで埼玉』まとめ

笑える映画なのですが、東京一極集中、都会至上主義について考えさせられました。

 地方都市の人間には響く作品なのではないでしょうか。

翔んで埼玉

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