あらすじ・概要
バツ2で二児の母だった著者は、二児の父親と子連れ再婚をする。しかし、その家族は、朝食も食べない、洗濯もいいかげんという家事をしたがらない家庭だった。著者は継子を教育し直そうとするも空回りをする。しかし「継子を実子同然に愛せなくてもいい」と気付いたことから事態は変わっていく。
実子に対して責任があるのは実父では?
「実子に対して一番責任があるのは今まで育ててきた実父のはず。なのに、どうして継母ばかり責められるのか」という部分に、確かにそうだと思いました。
今は夫婦の責任を平等にしようという動きはあるけど、やっぱりなかなか一度持ってしまった価値観は捨てられません。私もステップファミリーを見たら、無意識に「継母が面倒を見ているんだろうな」と思うかもしれません。
比較的まめに家事をやる著者は、父子家庭だった夫があまりにも雑に家事をしてきたことにショックを受けます。そこで自分の家事のやり方を押し通そうとしますが、継子からは反発されます。
ふたつの家族が一緒に暮らせば、当然文化の衝突が起こります。そこで、無理に相手を変えようとしてしまうと相手からも拒絶されてしまう。
ふたつの家族を統一しようとするのではなく、ふたつの家族がたまたま縁があって同居している、という感覚でいるのが一番いいのかもしれません。
子連れ再婚は大変なことが多いでしょうが、それでも「今は幸せ」と言える著者の生き方には励まされます。今後多様な家庭が増えていく上で、指針となる一冊でした。