曲の歌い出しというものが好きです。印象的だったものは心の中に覚えておくのですが、今回はそのおすすめ歌い出しについて記事としてまとめてみました。
- まちがいさがし/菅田将暉(作詞:米津玄師)
- そばかす/JUDY AND MARY(作詞:YUKI)
- いい日旅立ち/山口百恵(作詞:谷村新司)
- 愛は勝つ/KAN(作詞:KAN)
- ヒトリノ夜/ポルノグラフィティ(作詞:ハルイチ)
- 津軽海峡・冬景色/石川さゆり(作詞:阿久悠)
- クリスマス・イブ/山下達郎(作詞:山下達郎)
- 天体観測/BUMP OF CHICKEN
- 旅立ちの日に/合唱曲(作詞:小島登)
まちがいさがし/菅田将暉(作詞:米津玄師)
まちがいさがしの間違いの方に
生まれて来たような気でいたけど
「まちがいさがしの間違いの方」を比喩に持ってくるところがすごい。間違い探しの間違いって、何だかうっすら違和感があるんですよね。その違和感から間違いを探していきます。
この歌詞の主人公はきっと、生きていることに違和感があって、目の前の相手にも違和感を持たれて、つらかったんでしょうね。
そばかす/JUDY AND MARY(作詞:YUKI)
大キライだったそばかすをちょっとひとなでしてタメ息をひとつ
「大キライだったそばかす」という言葉で、おそらくこの女の子は絶世の美女ではないとわかります。大嫌いなはずのものを撫でてからため息、ということは相当そばかすのことをコンプレックスに思っているのでしょう。
しぐさひとつで「そばかす」への悩みの重さを感じられる歌い出しです。
いい日旅立ち/山口百恵(作詞:谷村新司)
雪解け間近の 北の空に向かい
過ぎ去りし日々の夢を叫ぶとき
「いい日旅立ち」はメロディがなくても完成度が高い歌詞なんですが、歌い出しもとてもいい。
「過ぎ去りし日々の夢」を「叫ぶ」ということは、何かの幸せが失われてしまった後なのでしょう。それと別れを告げるために旅立つ歌なんですね。
愛は勝つ/KAN(作詞:KAN)
心配ないからね 君の想いが
誰かに届く明日がきっとある
シンプル・イズ・ベスト。メロディも含めて、曲の方向性が一瞬で分かる歌い出しです。
続く曲もこの歌い出し通りのイメージで進みます。優秀なあらすじ欄みたいな歌い出し。
ヒトリノ夜/ポルノグラフィティ(作詞:ハルイチ)
100万人のために歌われたラブソングなんかに
僕はカンタンに想いを重ねたりはしない
ラブソングにこんな歌い出しってあり!? このひねくれっぷりが大好きです。
これはアイデアの勝利ですね。
津軽海峡・冬景色/石川さゆり(作詞:阿久悠)
上野発の夜行列車 おりた時から
青森駅は雪の中
「あ、この人故郷に帰るんだな」とわかる歌い出し。上野発の夜行列車なんて乗ったことないのに、雪の中の青森駅が見える気がします。
「青森駅は雪の中」のふらふら上下に揺れるメロディもいいんですよね。カラオケで歌うとめちゃくちゃ難しいんですけど。
クリスマス・イブ/山下達郎(作詞:山下達郎)
雨は夜更け過ぎに
雪へと変わるだろう
とても簡潔で映像的な歌い出しです。冷たい雨が夜更け過ぎに雪に変わる。そしてこの曲のタイトルはクリスマス・イブです。つまりはホワイトクリスマス。けれども歌い出しの声音は切ない。
メロディも含めて幸せなクリスマスではないのだろう、という雰囲気がします。
天体観測/BUMP OF CHICKEN
午前二時 フミキリに 望遠鏡を担いでった
ベルトに結んだラジオ 雨は降らないらしい
青春漫画の1ページのような歌い出し。心理描写は一切ないのに、わくわくが胸にこみ上げて来ます。
午前二時っていう時間もいいんですよね。いつもなら学生には絶対に出歩かせてもらえない時間に外に出て天体観測をする。そのシチュエーションが最高。
旅立ちの日に/合唱曲(作詞:小島登)
白い光の中に 山並みは萌えて
遥かな空の果てまでも 君は飛び立つ
赤い光やオレンジの光ではなく、白い光ということはこの歌は朝を歌っています。たぶん、卒業式の朝なのではないでしょうか。
卒業式の朝、目覚めて、窓の外を見て、山並みが見えた。その間に広がる遥かな空の向こうに、卒業生は(進学なり就職なり)旅立っていく。そういう情景が浮かぶ歌い出しです。
旅立ちの日に 決定版!みんなでうたう卒業式の歌 ベストセレクション 小学校/同声版
- アーティスト:合唱,NHK東京児童合唱団,世田谷ジュニア合唱団,練馬児童合唱団,船橋さざんか少年少女合唱団
- 発売日: 2010/08/18
- メディア: CD