コピー本を作りたい! という気持ちが高まって自宅用のプリンターを買いました。今日はその経緯と買ったプリンターのレビューです。
はじめに:なぜこのご時世にコピー本なのか
この時代いくらでも安い印刷会社があるのに、なぜコピー本を作り出したのかと思われるかもしれません。
理由はふたつあります。
ひとつ目は、私の作る同人誌はめちゃくちゃ少部数なので、少部数を受け付けてくれる印刷所を探すだけで一苦労だからです。部数が少ないと自動的に単価も上がってしまうのでやりくりが大変です。コピー本なら、いる分だけ刷れて在庫を持たなくていいし、印刷所を探す必要もありません。
もうひとつは、単純にコピー本を作るのが好きだからです。何か無心になれて楽しいんですよね。画材屋で表紙の紙を選ぶのも好き。ハンドクラフトをするとなかなか作品を引き取ってもらえる機会がないんですが、本なら頒布できます。
ちょうど「買おう」と決意したのが誕生日の少し前というのもあり、自分の誕生日祝いとして購入しました。
BookletPrintが使いたくてCanonのTS5330に決定
機種はCanonのTS5330に決定。理由は「BookletPrint」が使いたかったのと、価格帯のふたつです。
BookletPrintとは、Canonが配信している小冊子印刷できるフリーソフト。
Canon 同人誌印刷用ソフトBooklet Print無料ダウンロード| おうちでつくる同人誌 Canon
コピー本を作るとき面付けが面倒くさくてこのソフトを使いたかったんです。コンビニプリントの冊子印刷は余白の調整がしにくいし、illustratorで面付けするのは面倒くさいし。
BookletPrintをDLして少し触ってみたら使いやすそうだったので、これ対応のプリンターを探しました。
価格帯はとりあえず1万円程度かな、という感じで決めました。あまり高いものを買って使わなかったら悲しいですからね。
エディオンで買おうとしたところ出鼻をくじかれた
機種を決めたところで最寄りのエディオンへ。ちょうど目当ての機種があったので、店員さんにこれくださいとお願いします。
「その機種、取り寄せになるんで最低でも三週間ほどかかるんですよ」
ええ?!
新型コロナウイルスの影響でプリンターの部品が足らず、生産が追い付いていないらしい。
「本社に問い合わせれば具体的な日にちがわかりますが……」
とりあえず店員さんに本社への問い合わせを頼んでその日はとぼとぼ帰りました。
次の日の昼休み、店員さんから電話が来ました。
「すみません、やっぱり取り寄せには一か月以上かかるみたいです」
「はあ……そしたら、別の場所も探してみます。どうもありがとうございます」
問い合わせてくれただけでありがとう……っていう感じなのでエディオンに文句はないんですが、それにしてもがっかり感はあります。
Amazonのマーケットプレイスで買うことにする
仕方がないのでAmazonのマーケットプレイスで買うことにしました。
最安値のストアはPC-Reuce。しかしマーケットプレイスはうさんくさい会社も多いみたいなので、出品者プロフィールに書いてあった企業名、「株式会社キヨシ商事」で検索してみました。
公式HPにたどり着き、そこからヤフオクのアカウントを発見しました。
レビューは概ねいいみたいだし、クレーム対応もしっかりしています。ここは大丈夫そうですね。
安心してAmazonをポチっとして購入完了。
純正インクをメルカリで買う
中古で買ったTS5330にはインクが付いてないので買います。
インクが高いからプリンターの代金と足したら定価で買うのと変わらないんですよね(あるあるではある)
メルカリで少しだけ安く出品されていたので、そちらを買いました。どうやら買い替えて前の機種のインクを余らせた人が売っているようです。
これもエディオンにあるかなと思って出勤のついでに覗いたら、この機種のインクはマイナーで置いてないらしい……。ネット通販使わない人はこの機種をおすすめしません。
コピー本を刷ってみた
結論から言うとすごく簡単に刷れました。
BookletPrintについて詳しく書くと、記事が長くなりそうなので機会があったら別の記事で話すとして。
BookletPrint、ネットに載っている使い方が全部動画なのが難点なんですが(テキストのヘルプも作ってくれませんか?)それでもillustratorで面付けするより圧倒的に楽ですし調整もしやすいです。
「とりあえずPDFを作っておけば本が刷れる」という楽さ!
ミスを見つけるたびにコンビニを往復しなくてもいい!!
めちゃくちゃ楽しいです。
プリンターの使い勝手もなかなかよかったです。印刷は遅いっちゃ遅いですが、それでも実家の古いプリンターよりは早いです。
印刷も単純な図柄なら問題なし。写真を印刷しようと思うと物足りなく感じるかもしれませんが、コピー本だし小説サークルだから文字が読めさえすれば大丈夫です。
パソコンとはwifiで繋げられるので、スイッチを押して紙をセットするだけですぐ刷れます。
それから見た目がシンプルなのもポイント高いです。置いておいてもガチャガチャしない。
ただ使ってみたことでわかったデメリットもあります。ひとつは決してコスパはよくないことです。プリンター自体の値段もそうですし、何より純正インクが高いです。そして24ページの冊子を10冊刷ったらインクが1/3くらい減ってしまいました。大容量タイプではないとはいえ、このインクコストはなかなかつらいです。
インクコストを考えるとカラーインクが三色別々のカートリッジに分かれているものにしたらよかった気もするんですが、それだと本体が高くなるんですよね。気軽には変えないから悩ましいです。
互換インクを使うのも手ですが、壊れやすくなるという説もあるし、もろ手を挙げておすすめはできないですね。
もうひとつは「インクジェット対応用紙」だからといってきれいに刷れるとは限らないこと。画材屋で「インクジェット対応」と書かれた紙を買って印刷したらインクが染みこまなくてかすれてしまいました。床に紙を並べて印刷したそばから乾かして対応しました。
調べてみると「インクジェット対応」というのは、「とりあえずは刷れますよ」という意味できれいに刷れることを保証するものではないようです。だまされた気分ですが、会社としてはきれいに刷れるところまで保証はできないのでしょうね。
とはいえでデメリット自体も予想の範囲内なので総合して考えると買ってよかったです。コピー本作るのめちゃくちゃ楽しい!
この記事がこれからプリンターを買う人の参考になれば幸いです。