あらすじ・概要
巧の告白を何のかんのと保留してきた綾子に、娘の美羽が「巧は自分がもらう」と宣戦布告してきた。折しも巧と綾子と美羽で計画していた家族旅行が近く、綾子はなし崩しにそこで美羽と対決することに。巧にアピールする美羽に、内心穏やかではない綾子は、ついつい巧を意識してしまう。
思った通りの展開でもちゃんと面白い
冒頭を読んで「多分こうなるだろうな」と思った通りの展開・オチでした。
しかし思った通りの展開でもちゃんと面白く感じられます。それは、綾子や巧のキャラ造形や、年の差恋愛で直面するであろう悩みをちゃんと描いているからです。
大人であること、巧が年下であることを盾にずるい立ち回りをしてしまう綾子。そんな綾子に振り回されつつも愛している巧。そんなふたりにいら立ち発破をかけようとする美羽。
この三人の関係や心のやりとりがどたばたしつつもきれいにおさまって、読後感がよかったです。
矢印に恋愛か家族愛かの違いこそあれ、綾子と巧と美羽は三人で両想いなんだと思います。めちゃくちゃハッピーで元気出ました。
とあらすじでは純愛仲良しコンテンツなんですが、挿絵のあるシーンに目を向けるとちょっとえっちなラブコメでもあります。
巧もラブコメ時空に生まれてしまったばかりに我慢を強いられてばかりで大変ですね……。巧は真面目なのに時空が静かな純愛を許さない。
特に今回の綾子は大人のずるさを全力で発揮していました。それにいちいち新鮮なリアクションを返してくる巧はかわいいですね。
巧がかわいそうなのでもうとっとと行くところまで行ってほしいと思いつつ、そうなるとシリーズが即終了しちゃうからないでしょうね。
あと挿絵の綾子本当にかわいいですね。私は水着絵が結構好きなのかもしれない……恥ずかしがっていると特に。
そして美羽のお色気シーンがないところにこの作品の主義を感じます。