ブックワームのひとりごと

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『女子高サバイバル』須賀しのぶ コバルト文庫 全2巻 感想

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女子高サバイバル (コバルト文庫 す 5-12)

 

 

あらすじ・概要

女子高に通うキリコは友人・スイの誘いでグラウンドホッケーをやることになる。体育会系のノリが苦手なキリコは、なるべくすぐにグラウンドホッケーを辞めたかったのだが、そうもいかず……スイの姉要、関西出身のミステリアスな女子八重垣も加わり、グラウンドホッケー愛好会は賑やかになる。

 

倫理のないギャグとそれでも面白いスポ根描写

「1998年のギャグって倫理がないなあ」という気持ちと「それでも面白いと感じさせる須賀しのぶの筆力がすごいなあ」という気持ちが同時に来ました。

グラウンドホッケーとは、スティックでボールを打ち合い、キーパーのいるゴールへシュートして得点するスポーツです。人数は11人。この本に出てくる愛好会は11人に満たないため、部員の少なさで苦戦することになります。

ホッケーとは|ルールと競技規則|JHA 日本ホッケー協会

 

作中は現代ではありえないほどの差別発言の連続です。女性にあこがれる女の子をレズと揶揄したり、BL好きな女の子をけなしたり、などなど、この作品が現代で発表されていたら間違いなく炎上するでしょう。

 

一方で、女の子同士が罵倒しあい、けんかをしながらグラウンドホッケーというスポーツをやる筋書きそのものは面白かったです。

主人公を含め、登場人物全員がよこしまな理由でグラウンドホッケーをやっています。あこがれの女性と近づくため、顔のいい女性同士の絡みを拝むため、なめられてむかついたからやり返すため……。それでもなんだかんだと勝利を目指し、初心者なりの勝利を勝ち取ります。

きれいごとが発生しないからこそ、思いを完遂したキャラクターに笑いながらよかったねと言いたくなります。

 

差別描写があまりにもあんまりなのでお勧めしづらいですが、個人的には好きな作品でした。

 

 

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