ブックワームのひとりごと

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高飛車貴族がダンピールの父親になるまで―『グランギニョル』

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あらすじ・概要

吸血種でありながら家に身重の人間の女をかくまったダリ・デリコは、その責任を問われ血盟議会を休職させられ、その間にある事件の調査を頼まれる。吸血種の少年少女が失踪しているという事件だ。下級議員とヴァンパイア・ハンターとともに、ダリは事件の調査を始める。

 

相変わらずひどいシリーズだなあ(褒めてる)

私にとってTRUMPシリーズってあまり鬱作品じゃないんですよね。だって現実に起こるような鬱要素があまりないから……。フィクションだと完全に割り切れるのでげらげら笑って見られます。

今回も「ひでー!!!」とツッコミ入れながら見ていました。

 

シリーズの中では生存者が多く、一抹のさわやかさもありましたが、これが『TRUMP』の前日譚であることを踏まえるとめちゃくちゃ闇が深くなりますね。子育て失敗してるじゃん。あの人が生きていればなあ。

ひとりの男が父親になるまでの話なのに、「父親向いてないなこいつ!」という感情が生まれてしまいます。

 

不死の吸血種TRUMPを信仰する原初信仰者たちがうろうろしている作品だけれど、別にTRUMP自身はそんなこと望んでいないんですよね。TRUMPに勝手に巨大感情抱いて勝手に死んでいくのTRUMPも迷惑でしょうね。というか今まで見たシリーズ高確率で原初信仰者が死んでるな。「COCOON」などまだ見てない作品はわからないですが……。

 

TRUMPシリーズは総じてそうだけど「愛しているけれど相手の望むものをあげない、あげられない」というシーンがものすごく多いですね。イニシアチブという強制的な主従関係のせいもありますが。もっとコミュニケーション取って! とはたから見ていると思います。

 

鬱というよりもひでえひでえと思いながら見た作品でした。なんだかんだで楽しかったです。